あの日の恋が嘘みたい。【歌い手】

【天月】きっと、会いに行くから/Elice ページ30

【恋愛】 恋して愛するという言葉。辞書でこの単語を調べると特定の人に対して
特別な愛情を感じること、恋い慕うこと。また互いにそのような感情を持つこと。
……そんな意味があるらしい。もし文面通りにとらえるのなら、表すのならば
俺が君に感じていたこの気持ちは――――――――

　

「それはきっと……恋でした。」

　

　

　
俺は天月という名で歌い手という……歌を歌う活動をしている。それ以外にも動画投稿したり
ゲームをみんなで配信したりもしているが基本的は歌に関する仕事をしている。
一応言っておくと、本名は天宮翔太という。今は今度発売する予定のアルバムに
収録する歌の歌詞やメロディーを考えているのだが…

　
「ダメだ、今日はまったくもって出てこないー…こんな時はリフレッシュが大事だな。」

　
もう何回目になるリフレッシュタイム。これはもう完全に行き詰った証拠である。
愛猫と戯れ、ゲームをやり、仲のいい人たちの動画を見て、聴いて……
次は何をしようか、そう思いながらパソコンに目を向けると
タイミングよくメッセージが届いた。

　
「ん？あ、ちょうどいいところにAからチャット来た。」

　
こんばんわ、そう送ってくれたのはA。関係は、と聞かれると1番わかりやすいのは
高校の時の同級生。卒業してからはあまり連絡を取り合ってなかったのだが
ひょんなことから再会し、今ではこうやって連絡を取り合っている仲だ。
彼女がこうやって連絡をくれるときはだいたい俺のツイートを見てである。
先ほど休憩！なんて呟いたから連絡をくれたのだろう…。
俺もちょうど連絡しようとしてたしちょうどいいやと思い、返事の代わりに通話をかけた。


「もしもーし！」

「もしもーしって！いきなりびっくりしたよ、どうしたの？」

「ごめんごめん、ちょっとスランプみたいでさ気晴らしに話付き合ってよ。」

「それは大変だ。いいよー、付き合ったげる。」

「ありがと！」

　
ちなみに彼女は俺が天月であることを知っている。さっき言っていたひょんなことの正体
俺が出演させてもらったライブに彼女はスタッフとして働いていて再会し、今に至るわけだ。


「でさー、まふ君たちと今度ハワイ行こうってなってさー」

「いいなー、私も行ってみたいから感想よろしくね！」

「任せて！！」

　
相変わらず聞き上手な彼女と話しているのはすごい楽しいから、いつも話が弾む。
いつまでも話し続けられるんじゃないか。そう思えるほどだった。

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