賭け狂い【賭ケグルイ】

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「このターンもまったく同じ夢子になんらかの方法で自分の手を教えてもらいそれがマークもしくはゾロ目だったってわけだ。はっ。オレに５枚賭けさせ夢子のチップを出さざる得ない状況にもって行きたかったんだろうが…言ったろ？夢子…お前のチップは確保だって。残念だったなぁ。家畜のやることなんざ人間様にはお見通しなんだよ。フォールドだ。」

説明が長かったがつまりはオレ様は勝負しませーんってことだろ。
私は説明が長いのが大嫌いなんだ。

「早乙女様以外の全員がフォールドしましたので早乙女様の勝利です。」



「…目ざといね。あなた。毎日悪いことばっかやってると悪意に敏感になるのかな。何にせよ勝負にでて良かった。これで弾ができた。」

「…何を言ってやがる。」

「私の手はブタだよ！ばああ〜か！」

スペードの８とクラブのＡのブタだった。

「なんだと…！？」

「馬鹿な。ブタで５００万円のチップを５枚賭けたっていうのか。」

「くくっ、まーね。３ターン目の夢子の勝ちは露骨だったから気付くと思ったよ。私にとっても苦しいところだった。私のチップは１枚５００万円。勝負をかけるにはリスクが高すぎる。かといっていつまでも勝負しなければ参加費だけで破産する。なのにいいカードがこないもんだから焦ったよ。くふふ、あんたが間抜けで助かった。」

「ちっ、なに調子に乗ってやがる。まだ一回勝っただけだろうが。」

「くくっ、いいのこれで。賭ける弾さえあればお前みたいな糞馬鹿に負けるわけない。」

「んだと！？」

「いうまでもないことですが、暴力行為は禁止ですので。早乙女様も挑発するような言動は慎まれますよう。」

「はいはい。」

「では５ターン参ります。」

「ベット。木渡１枚。」

「コ…あ、フォールド。」

「レイズ。木渡４枚。」

「…コール！木渡１枚。蕾２枚っ！」

夢子はレイズ。木渡はコール。蕾がフォールド。

「宣言終了です。手札を開示してください。」

木渡はブタ。

「うふふっ、２と５のマークです。」

「木渡様は御自信のチップが尽きましたので次は蕾様のチップで参加費をお支払いください。」


次のターン。
早乙女がまたブタなのに勝った。

「まさか…」
木渡が小さい声で言った。

「やっと気付いたか。お前さーほんと馬鹿だね。」

「蕾さん。木渡さんに命令されてやっているのでしょうが、やめておいたほうがいいですよ。伏せたカードの置き方でマークを伝えるなんてあまりにも分かりやすいですから。」

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