賭け狂い【賭ケグルイ】

伝 ページ16

あれから一週間が経った。

夢子は、今日もクラスの人に話しかけられている。
放課後になっても夢子はしばらくは話をしているから、鈴井のところへいく。

「鈴井さん。Aさん。今日も学園を案内していただけますか？」

「学園の案内なら私たちがするのにー」

「ありがとうございます。でも、鈴井さんに案内してほしいんです。」

「私達は別にいいけど、仕方ないね。また明日！」
「さようなら。」

＿＿＿＿

「ここは茶道部なんだけど、放課後は、伝統文化研究会が賭博を立てているんだ。丁半博打とか、花札ならここかな。」

茶道部の周りは和風の装飾がされてある。
1年生のときはよく通った。

「伝統文化研究会へようこそ！お客様、只今折良く公式戦が行われておりますわ。ご観覧されてはいかがでしょう。」

「公式戦‍？」

「あ、そうか。夢子は知らないよね。公式戦っていうのは、家畜に与えられた唯一の権利なんだ。家畜は1度だけ誰にでもギャンブルを挑む権利がある。掛け金が常識の範囲内なら拒むことは許されないんだ。しかも、慣例的に生徒会役員は公式戦を青天井で受けることになっている。だから、家畜から一発逆転を狙って大勝負が行われたりする。」

「その通りですわ。そして今公式戦を受けていらっしゃるのは、生徒会役員であり、我らが伝統文化研究会会長の西洞院百合子様。現在の賭け金は1000万円ですわ。」


「どうされました‍？逆転のチャンスは十二分にあります。まだまだ諦めるには早計というものですわ♪」

「うる…さいっ…」

西洞院百合子と早乙女の戦いだ。
そこまで追い詰められていたのか。



「二十二刃が刺さっているため、判定死。6枚ベットされた早乙女様は30倍180枚のマイナス。1800万円。百合子様のチップを合わせて合計で4960万円で決着です！」

「お疲れ様でした早乙女さん。回収方法は追ってご連絡差し上げますわ。…誰か外へお連れして。

もう用済みですから♪」

早乙女の叫び声が聞こえた。

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