暗殺者の弟は泣き虫ヒーロー part１【東京卍リベンジャーズ×暗殺教室】 (ページ49)

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プールページ49

武道が急にパツキンリーゼントになった。
　果てしなく似合ってなかったが、そういえばアニメではこんな髪型だったかと普通にセンスを疑った。いや、元々武道ってセンスはなかったけど。

　うちの子のセンスが心配だ……とクラスメイトに愚痴ったら弟君不良だったんだね、と言われた。
　うん、不良です。いつか東卍に入ったりもするような。とある未来では反社の幹部になってるような。
　ヘタレでも泣き虫でもヒーローなのに反社。困った子だ。もしその未来なら私ってどうなってるんだろうか？

　既に見慣れてきてしまったあのダサダサヘアーを思い出しながら山を歩く。

　プールかぁ。前世は全然好きだったけど、今世の私はプールが駄目だ。
　嫌いというわけではなく、入るのが不可能。好き嫌い以前に体や脳が拒否してるのだ。今世溺れかけたのはプールだったのもあってフラッシュバックを起こす。
　なので1年2年の頃も私はプールには入っていない。PTSDの認定を受けてドクターストップがかかってるからね。当たり前だけども。

　もしプールにでも入ってみろ、即パニックになって溺れるぞ、私は。
　トラウマとはそういうものだ。
　例えどこか親しみを感じている感覚だとしても、体はそれに追いつかないのだ。ハッキリと体は覚えている、死にかけたという衝撃を。だからこそ固まってしまう。

　そんなわけで、1人体操着で皆の後ろをついていく。
　同じクラスだった経験がある子達は理解もあるし、その子達から話が行っているのか察してくれているのかとやかくは言われない。
　ありがたいことだ。

殺せん「さあ着きましたよ、ご覧あれ！」

　お〜、凄い。結構広いプールだ。

　皆が遊ぶのを、あまり近付き過ぎないようデッキチェアの上に寝転がりながら見つめる。