暗殺者の弟は泣き虫ヒーロー part１【東京卍リベンジャーズ×暗殺教室】 (ページ20)

今日:3 hit、昨日:42 hit、合計:83,025 hit

ココア代ページ20

真一郎「あ」
貴方「あ」

　逃げよっ。

真一郎「ちょ、待て待て待て！」

　腕をガッチリと掴まれてしまった。こうなると逃げられないので非力が憎い。

　まだまだ私は小学生。相手は私よりずっと年上で、一回りどころじゃなく大きいし、鍛えた男だ。
　くそぅ。鍛えよ。パワーって大事。

貴方「何」
真一郎「ちょっと話そうぜ」
貴方「……はぁ」

　強引だね、拒否権ないでしょうそれ。

　連れられた公園でココアを奢られ、ベンチに並んで座る。

貴方「それで、どうしたの」
真一郎「あー、いや」

　めちゃくちゃ目が泳いでる。私見付けて取り敢えず捕まえたは良いものの何も考えてない感じだね？

貴方「はぁ。さっきまで何か悩んでたでしょ」
真一郎「え、なんで！？」
貴方「顔に書いてる」
真一郎「嘘っ！」
貴方「ホント」

　なんか思い悩んでる人いるな、と思ってみたらバッチリ目があってサノシンイチロウだったわけだ。
　まんま顔に悩んでますって書いてたよ君。

真一郎「あー、聞いてくれるか」
貴方「ココア代くらいは」

　そう言ったのにココアじゃ足りないくらい重い話された。

　異母妹を引き取った。その子には兄がいたが、実はその兄は真一郎の異母妹ともその母とも血の繋がっていない、異母妹の母の前の旦那の連れ子。
　それでも妹の兄ならば自分の弟だ、と異母妹の兄も引き取ることに決めて最近その子のいる施設に通っているが、どうにもその子は不安定だったり、真一郎という兄に執着心を見せている。

　いや、重いよ、重い。