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黒と不良 ページ16

モブ「おーい、そこの黒いガキ」
モブ「てかぁ、小学生? つーか男? 女?」

 おっと絡まれた。こんな格好なんだから当然かもしれないけど、私将来が怖い(主に未来軸の反社な彼らに巻き込まれたくない)のと進学とかもあるので東京で不良やる気はないのだ。ヤンチャは関西で(クソ)。
 と、言うわけで、正当防衛になるまで私は基本手出ししたくない。

モブ「聞いてんのかよ!」
モブ「舐めんじゃねぇぞガキ!!」

 あ。

 手、出したな?


 それじゃあこれからは正当防衛。大丈夫、負担少なく秒で意識を刈り取ってあげるから、あまり痛くはないと思うよ。
 だって過剰防衛はいけないでしょ?




 面倒なことにまた絡まれた。君ら暇なの?

モブ「なぁ聞いてる?」
モブ「女の子なんだしもっと可愛いカッコしたら〜?」
モブ「お呼びなんだよ俺らみたいなのを」

 いやちゃいます。

モブ「ちょっと、喋ったら?」

 ヤダ。

モブ「聞こえてます〜?」
モブ「舐めてんのかよぉ」
モブ「痛い目見ねぇと分かんねぇのかなぁ、お嬢ちゃん?」

 君らがね。

 尚黙っていると沸点の低い彼らはすぐに拳を振り上げる。それを待ってボケっと見上げていると、急に誰かが前に入って来た。
 私を背に庇い、不良達の前に出る形。

 え、誰?

?「お前ら、女の子、しかも子供を大勢で囲んで恥ずかしくねぇのか」

 あ、なるほどそういうタイプ。いるよね不良だけど良い奴。
 不良って字には全力で反抗してるけど、私はこういうタイプ結構好き。

モブ「あ? なんだお前」
モブ「邪魔すんじゃねぇよ」
モブ「殴られてぇのか?」

 今回は彼に任せようかな、と顔も分からない筋の通ったタイプの不良君の背を見つめる。
 悪いがその後ろのしょうもない奴らは視界にまともに入っていない。何せどうでも良いので。

?「やってみろよ」
モブ「あ? ざっけんなよ!」

 おっと喧嘩が始まってしまった。これは逃げれば良いのだろうか。

 しかし、しかしだね勇気ある不良少年よ。助けに来てくれたその心意気は大変ありがたいけど、君弱いね?
 逃げてと口パクしてるからには弱いこと承知で囮になってくれたんだろうけど無謀過ぎやしないかい? 軽率に死ぬ気なの?

 はぁ、全く仕方ない。君みたいな子は好きだし助けるよ。元はと言えば私が売られかけてた喧嘩だし。

貴方「フッ!」
モブ「な!?」

 1分もしないで終わるよ。

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作者名:mol/L | 作成日時:2022年8月3日 20時

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