検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:13,272 hit

第九章…性別が違う。 ページ10

俺は今昇降機に乗り、探偵社に出社しようとしていた。


昇降機を降り、武装探偵事務所のドアの前に立つ。


ドアには簡素な毛筆で【武装探偵社】と書かれた額が掛かっている。


腕時計を見る。


出社時間である八時までには、まだ四十秒の猶予があった。


少し早く着きすぎて了ったか。


時間厳守が俺の信条である。


四十秒を待つ間、手帳を操って今日の予定を再確認することにした。


既に朝食時に一度、寮を出立する時に一度、信号待ちの時に一度確認しているが、予定確認が過ぎて死んだという話は聞かん。


手帳を読み、既に頭に入っている業務予定を反芻する。


襟を正し、再度腕時計を見る。


……佳し。


「御早う御座いま…」
「…国木田さん助けてください!!」







扉を開けた瞬間、緊迫した表情の敦が飛び出してきた。



「……何だ、朝っぱらから。」


「うぅ……太宰さんが、あれです!」




敦が見た先を見ると、狂った様子の太宰が発狂していた。





………面倒臭そうだな。


此方は昨日のAとの件で、気分が良いというのに。






無視しようとした瞬間、何かが医務室から飛び出して太宰を吹き飛ばした。




………ん?






目の前に居るのは、見知らぬ小僧。



息を切らして、涙目で何かから逃げていたようだ。



それにしてもこの小僧、何処かで見た気が…………。






茶色の癖のある髪。

桃色の男にしては大きめの瞳。

色の白い肌。

でも、骨格はちゃんとした男だ。

服装も、黒色の外套に白色のYシャツ。

脛辺りで折られたズボン。





何処かで見たというより、凄く知っている顔のような。









考えている間に、与謝野医師とナオミが小僧に近づいていく。




「さぁさぁ、逃げるなんてしたら駄目じゃないかァ。」


「そうですわよ。此処は潔く、ですわ。」


『嫌です!絶対嫌です!……く、来るな!』





必死に拒否し、気を失った太宰の後ろに隠れる。



その小僧の手首を、俺は無意識に掴んだ。









「……小僧、もしかしてAか?」

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)


←第八章…予定の狂い。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
設定タグ:文スト , 国木田独歩 , 条野採菊   
作品ジャンル:ラブコメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

MARU(プロフ) - 国木田さんと採菊さん推してるんで最高です笑 (2021年5月13日 22時) (レス) id: bd5ad6c911 (このIDを非表示/違反報告)
友梨(めっちゃ国木田押し - 嬉ー (2019年7月6日 23時) (レス) id: 29a746ff3b (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 尚さん» ありがとうございます!!国木田さん格好いいですよね!更新頑張ります。 (2019年4月11日 16時) (レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 国木田さん推しにはたまらない!更新頑張ってください!応援してます! (2019年4月11日 16時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 分かりました。それについても実は考えていたので、今度の話で取り合い書きますね。 (2019年3月13日 23時) (レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:如月あや | 作成日時:2019年2月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。