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第二話…仕事の依頼。 ページ3

『え?今回の仕事って爆弾処理なんですか?』


私は今、小さな廃工場の物影にいる。

小声で隣にしゃがむ、国木田さんに声をかける。

返事は以外と早く帰ってきた。

「あぁ。以外と責任重大だ。油断だけはするなよ。」

『はー、いっ!?』




返事をしようとした瞬間、腕を引っ張られた。

………あれ?

上にあるであろう国木田さんの顔を見上げると、意外と距離が近い。

私は今、国木田さんに右手で口を抑えられ左手で私の左手を抑えられている。

向き合うような心臓に悪い体制と、私の顔のすぐ近くにある、端正な整った顔。



「敵が近づいてきた。静かにしろ。」



目で合図だけされ、静かに頷いた。

とりあえず国木田さんの顔を眺める。



癖のある細い黄色の髪の毛。

薄くとおった鼻。

きつく結ばれた唇。

だが今日は眉間に皺がなく、珍しく落ち着いてるようだ。

国木田さんの目を見た瞬間に、肩に手が置かれた。

『んぎゃあ!!』

「ぅおわぁ!!」

何故か国木田さんも一緒に叫ぶ。

え?あれ?

何が起こったんだ?








「何をしていらっしゃるのですか?」


凛と通る声に振り向くと、何処かで見覚えのある男性が腰に手を当てて立っていた。

毛先だけが黒い白い髪の毛。

瞑られた目。

物腰は礼儀正しく丁寧なのに、何処か威圧感を覚える服。


『条野……採菊!?』

「…?」

私が叫ぶと、国木田さんは横で?を浮かべた。

「そちらの御嬢さんはご存じの様ですね。」

『知ってるも何も………。』

彼のからかうような口調に、思わず反発してしまう。

彼のことは、商店街の裏路地で見かけた。

敵を感情もない無垢の瞳で殺す彼を見た瞬間、通りがかりの此方まで悪寒がした。



そこから、探偵社の敵になるとヤバいから、色々と調べあげた。

そこを、嗅ぎ付けた彼に見つかり顔見知りとなったわけだ。




「で、貴方がた探偵社が何故戸々に?」

『仕事です。爆弾処理の任務ぉ!?』

私が喋り始めたのを無理矢理止めるように、国木田さんの手が私の口を覆った。

「任務のことは軽々と口にするな。口外するのは依頼者にあまり宜しくないからな。」

私が国木田さんと目と目で会話をしていると、強い力で誰かに腕を引っ張られた。








「貴方、大変宜しく受け付けません。」


「奇遇だな。俺もだ。」


私を挟んで、二人は静かに睨みあう。









この状況を、私はどうすればいい?

第三章…理想の口説き方?→←第一話…理想の毎日。



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設定タグ:文スト , 国木田独歩 , 条野採菊   
作品ジャンル:ラブコメ
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MARU(プロフ) - 国木田さんと採菊さん推してるんで最高です笑 (2021年5月13日 22時) (レス) id: bd5ad6c911 (このIDを非表示/違反報告)
友梨(めっちゃ国木田押し - 嬉ー (2019年7月6日 23時) (レス) id: 29a746ff3b (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 尚さん» ありがとうございます!!国木田さん格好いいですよね!更新頑張ります。 (2019年4月11日 16時) (レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 国木田さん推しにはたまらない!更新頑張ってください!応援してます! (2019年4月11日 16時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 分かりました。それについても実は考えていたので、今度の話で取り合い書きますね。 (2019年3月13日 23時) (レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月あや | 作成日時:2019年2月27日 23時

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