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第二話 行方。 ページ2

「ねぇ、Aちゃん遅くない?」

「確かに。今日は遅いな。」

時計の針は、もう出勤時刻を過ぎている。

流石に遅すぎて心配になってきた。

立ち上がり、国木田くんに外出の許可を貰おうとした瞬間だった。


「た…大変です!!」

扉が開き、息が上がった様子の谷崎君がいた。

「どうした。」

国木田くんが、いぶかしげに眉を潜める。

「Aちゃんが…交通事故にあい、姿を消しています!!」

「は!?」

「え…?」

口から飛び出る、間抜けな声。

額から垂れる、冷や汗。

時が止まったような感覚。

「Aちゃんは、○○通りの交差点で、事故にあってから行方を眩ましたそうです。」


谷崎くんの言葉に、体は考えるよりも先に動いた。


「太宰!!」

国木田くんの言葉なんて気にならない。

私は全力で走り、あるところへと向かおうとした。


立ち止まったのは、駄菓子屋の前。

きらした息を整えながら、駄菓子屋である人物を待つ。

「…太宰?何してるのさ。」

「!!乱歩さ……。」

はや歩きで、乱歩さんのところに向かう。

乱歩さんは、暇そうに飴をくわえていた。

「今誰もいなくてさぁ〜…………何が、あったの?」

私の脳内を読んだのか、一気に顔が真剣になる。

「…………Aが事故に遭い、行方をくらましました。」

「……………何だって?」

ポケットから眼鏡を取りだし、顔をこちらに向ける。

「案内して……。」

「そのつもりです。」



歩き出す乱歩さんを追いかけながら、焦りまくった心境を隠すように、携帯を取り出した。

メールは勿論、






蛞蝓宛に、送信した。

第三話 宛名。→←第一話 記憶。



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設定タグ:文スト , 死にたがりは死ねばいい , 太宰治   
作品ジャンル:泣ける話
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音奏 - このような、素晴らしい作品を作れるなんてとても凄いです。続き、楽しみにしています。 (2019年4月28日 21時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
NOANOA - 頑張ってください! (2019年2月18日 21時) (レス) id: 5ebf48a5b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月あや | 作成日時:2019年2月16日 0時

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