脱走が8回 ページ10
..あれ、今、高杉って言ってた...?
高杉が来た?
私を助けるために?なんの利益にもならない私を、わざわざ?
「A殿!こっちだ!」
ハッと我に帰り声の出を探していると、上だ。という声が聞こえてきた。
『あっ、か、桂さん!高杉は...!?』
取調室の上の鉄格子つきの小さな窓の外から月明かりに照らされた桂さんが見えた。
「高杉は今A殿を助けるために自ら囮を買って出て、真撰組の注目を反らしている。今のうちに逃げるんだ!今ここをあける!」
そう言うと勢いをつけ、鉄格子を蹴破り破壊した。
そこから差し伸べられる手を私は迷わずに掴むと一気に屯所の屋根の上に引き上げられる。
「事情は高杉から聞いたぞ。あんな奴に付きまとわれて迷惑じゃないか?逃げている間にも俺が高杉との関係を聞いたらノロケ話を聞かされてな、大変だったぞ。聞いているこっちが恥ずかしくなってきた。」
『の、ノロケって...』
私達まだそんな関係じゃないんですけど、と言うとそうなのか!?と返される。
「とりあえず、逃げるぞ。ここは危険だ。」
『わかりました。…どこに?』
「俺の船だ。」
背後からいつも聞いていた声が聞こえて、振り返ると高杉が刀を持って立っていた。
『船って…え?』
「とりあえず行くぞ。ヅラ、お前ェはここまでだ。後は自分で逃げろ。」
高杉は私を抱えると颯爽と屋根から屋根へと飛び移って行く。
体全体で夜風を感じて、まるで鳥になった気分だ。
『高杉、船ってどこにあるの?』
「今は港に停めてある。すぐ動かすつもりだったんだがなァ。」
なにやらぶつぶつ呟いているが、真撰組の聴取の緊張やストレスからか、
それすらも子守唄に聞こえてしまい、私は眠ってしまった。
あぁ、安心感からかも知れないなぁ…………
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乙愛 - あ、あれ……結構前の作品…? (2019年3月9日 22時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち・こんにちわんこそば - 続きも、頑張って下さい! (2018年12月21日 22時) (レス) id: 8abefbb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
沖田桜華 - とても面白いです!更新楽しみにしていますね! (2018年10月9日 23時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 更新たのしみです!! 頑張って下さい! (2018年8月25日 23時) (レス) id: eccf631227 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 次の再新楽しみに待ってます。(●´ω`●) (2018年8月23日 15時) (レス) id: feb278e6cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Zen-On | 作成日時:2018年3月25日 21時