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船の上が9回 ページ11

目が覚めると知らない天井だった。

体を柔らかな物が包んでいるので、布団の上なのだとはっきりしない頭で考えた。

じゃあ私達は無事に高杉の船に行けたのか。

「よォ、目ェ覚めたか。」

『高杉…?』

名前を呼ぶと、がしがしと頭を撫でられる。

「逃げてる最中に眠る奴なんざ、Aが初めてだな。ククッ」

『笑わないでよ!安心しちゃってつい…!』

「はいはい。それより、怪我は無ェか?」

起き上がり、自分の体を見ると、目立った外傷はないようだ。

「怪我して無ェとでも思ってんのか?…顔、擦れてんぞ。」

えっ、と顔を触ると確かに頬にピリリとした感覚があった。

こっち向け、と言われ大人しく向くと傷ついている所に絆創膏をつけられる。

「あいつ…人のモンに傷つけやがって……」

『わ、私高杉のものじゃないし!まぁ、確かに他人から見ればそう見えるかもだけど…!!』

最後まで言い切れずに私は言い淀んだ。

高杉が少し殺気を見せたせいだ。

「そうかァ…?じゃあ、聞くぜ。安心しろ、ここには近づかねェように言ってるからなァ…。Aは、俺をどう思ってんだ?答えろ。拒否権は無ェぜ?ククッ………」

すると私は布団の上に押し倒され、完全に逃げることが出来なくなってしまった。

高杉相手じゃ、黙秘権もないだろうし…

ここは、素直に思っていることを伝えるか。

『高杉、あの、逃げないから、離して……?』

まずは、身の安全を確保したい。

高杉は私の上からどけると手を繋ぎ(掴み?)私の目をじっとその、隻眼で見つめた。

『あのね、高杉。私は高杉の事は好きだよ?高杉と一緒にいると楽しいし、

高杉はテロリストなんて言われてるけど、本当は優しいってことも知ってる。

でも、私の好きが恋愛感情としての好きかは良く分からなくて

私、ほら、育ちがアレ(・・)だから、区別がつかないの。

高杉が私のこと好きって言ってくれるのは、すっごい嬉しいよ。

でも…もうちょっと待ってて。私、ちゃんと理解するから。

恋愛ってなにかって。半端なまま高杉と付き合うのはなんか嫌なんだ。

だから…だからっ、私が理解出来るまで、私の事、その…

好きでいてくれる?』

私達の間に沈黙が流れる。

その間も高杉は私の目を見つめたままで、何を考えているのかはわからない。

「……たりめェだ。さっさと理解しろよ?」

『うん、がんばる。』

高杉は立ち上がると、今日はもう寝ろ。明日詳しく説明する。と言い

私はそうする事にした。

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乙愛 - あ、あれ……結構前の作品…? (2019年3月9日 22時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち・こんにちわんこそば - 続きも、頑張って下さい! (2018年12月21日 22時) (レス) id: 8abefbb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
沖田桜華 - とても面白いです!更新楽しみにしていますね! (2018年10月9日 23時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 更新たのしみです!! 頑張って下さい! (2018年8月25日 23時) (レス) id: eccf631227 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 次の再新楽しみに待ってます。(●´ω`●) (2018年8月23日 15時) (レス) id: feb278e6cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Zen-On | 作成日時:2018年3月25日 21時

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