投獄114 神視点 ページ21
「……ﾁｯ」
ワシは胸の部分の服を掴み小さく舌打ちをした。ワシの深淵たる場所に居るAへ【穢れ】を入れてしまった。Aに影響がないことが何よりの救いか───だが
「ぐぅっ！」
「！大丈夫ゼウスさん！」
「は…なに…少々痛むだけよ……だが、そろそろ潮時か…？」
深淵に居るAに話しかける、〈そろそろお主の身体が持たぬ〉と。だがAは〈役目を果たせ。果たせないなら死んでもいい〉と駄々をこねる。それでは困るのだ、お主が死んでしまえば…神々は……
「はぁっ…この身体に無理はさせたくはないが……アポロン…自力でわしを支えよ…」
〈Aの為だからね。今回はオリュンポスから力を送るけど……次からはAの体無理させないでねお父さん！〉
「…Aに駄々をこねられたのだから仕方あるまいに…」
オリュンポスから話をしつつも胸の痛みが和らいでいく。暖かな癒しの波動がワシを…否、Aの身体を癒していった
「…もう暫し、ワシに耐えてくれA…」
胸を撫で下ろしワシはAが大切に思う者達の前にいるキョンシー達に手を翳した。掌の周りにある空気の中に含まれる電流が集い、徐々に目に見える雷となる
「その者達の前から失せよ！」
『バリバリバリッ!! ドガァァァンッ』
ワシの一言で雷はキョンシー共の方へ走り、貫通してその者達は一撃で動けなくなる。ワシは揺らめく長い髪をかきあげながら目を見開きこちらを見る人の子に話しかけた
「その者達は殺らせぬぞ人の子よ。Aが…、ワシらが大切に思う者の大切な存在達なのだ」
「ゼウス神……貴方はどうして彼…Aという方と契約を？」
「ふっ……何を今更。この男の何もかもに惚れ込み、この男と共にありたいと思っているからに決まっておろう！Aにこき使われるくらいどうと言うのとはない！」
「いや、Aにこき使われるって自覚してんのな」
「当たり前である。Aは神さえも従属させる魅力を持つのだ」
「いや、話が逸れてるそれてる」
刀に変える人の子に突っ込まれつつ取り敢えず咳払いをする。腕を既に刀に変えている人の子と禿げている人の子にその場を任せ、ワシは鬼と呼ばれる人の子の方に視線を向けた
「…うむ、お主もわしと変わらぬと見える」
「……」
「話したくなければ言わずとも良い。だが…この体、Aを殺したくば…本気でかかってこい！」
猿と呼ばれる人の子は目をギラつかせワシの方へ殴りかかって来た。そうでなくては面白くない
続く (更新停止中)
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←投獄113 冥国視点 ※性懲りも無く書き方がまた変わりました
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作者名：エルフ・シャープナー | 作者ホームページ：http:
作成日時：2018年1月25日 22時
