投獄98 冥国視点 ページ3
翌日。ウノが双六主任に五舎へ行くならば連れて行ってくれと交渉していた。勿論
「ダメだ」
「なんでだよぉぉぉぉっ！」
この連鎖だ。俺がウノの補佐に回っているのでこちらが押し気味だが
「…まぁ、要するに、冥国はヤマトのことが気になって、俺達はロックのことが気になって、んでもってハジメは両方……な？さっき言った通りオレ達に脱獄されたら困るだろ？ましてや今は冥国はお前の【敵】だぜ？」
ヤマトのお陰で！といいニヤリと笑うウノ。その姿を見て双六主任は顔を顰めた
「…うーん…うーん………う”ーん」
「はよせい、急いでんだから」
壁に頭を付き悩む双六主任。此処は俺が一肌脱ぐしか無さそうだ。補佐なんてもんはやはりやるもんじゃない
「双六主任」
「んだよ…あと十分は悩ませろぉ……」
「待っていられん……。それとも、この俺がいるというのにコイツらを纏められぬとでも？」
「いんや、お前がいりゃこいつ等も大人しいが…」
「ならば問題は無い…さぁ選べ、こいつ等を野放しにして暴れさせるか、俺達を連れ五舎へ行くか……十秒待ってやる」
最近ウノから覚えた【看守が絶対に首を縦に振る脅し方】という物を試しながらそう言う。脅すと言うより追い詰める…に近いらしいが
顎を持って上を向かせて顔を近付けることがどう言った追い詰めになるのだ？
「………………今回だけだ」
「よっしゃぁぁぁぁぁ!!さっすが冥国！冥国のお色気にはハジメと言えど適わねぇな！」
「本当に今回だけだからな！分かってんだろうな！」
「あぁ、了承した事に感謝を…さぁ、貴様ら並べ。大人しくしてるんだぞ」
「｢｢はーい｣｣」
問題児共を並ばせ五舎へ。手錠を付けられたのだが…
「何で俺だけこんなにも貴様と近いのだ」
「てめぇが一番ほかの囚人に影響出すからだよ！」
鎖で繋がれた手錠。それは双六主任が持っているのだが俺だけめっちゃ近い。妙に近いからムッてする
「…3010番。お前に前々から聞きたいことがあったんだが…」
「なんだ、答えられる限りは答えてやる」
連れてきてもらっているしな、と付けたし双六主任を見る。そして今ちょっと思った。俺この鎖に繋がれなくてもそういう許可下ってるんじゃ無かったか？……まぁいいや
「【悟空猿鬼】を知っているか」
「猿鬼？…あぁ、あの馬鹿でかい男か。彼奴は良く俺の地下牢に来ていたな。懐かしい…」
此奴は俺が過去に脱獄した者だと知っているので話が繋がる。他は…大和だけだな
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作者名：エルフ・シャープナー | 作者ホームページ：http:
作成日時：2018年1月25日 22時
