投獄107 冥国視点 ページ13
俺以外の囚人に全員手錠を掛けられ、上の階へと上がりつつ俺は雉の横で八力大仙と九力大仙(名前聞いた)が行う質問を全て右から左に流していた。こいつら凄くうるさい
「あら、1階はやけに静かね…」
「あれ？ホントですね、あの変なキョンシーが居ない」
「つーかリャン達どこに居るんだ？」
「くたばったんじゃね？」
「コラっ！」
雉がハニーを叱った瞬間、後ろの影から光る何かを見つけた。次の瞬間──
「おのれ！まだ残党が居たか」
「いってーーーー!!!」
リャンが飛び込んできてハニーの頭にチョップをかました。突然の事で笑ってしまったが許せハニー
「ハッ…」
「もう居ないって言ったのに相変わらず話聞かないな〜」
「あ！ウノ君と冥国だ！」
「何で九力さんや八力さんまでいるんですか」
ひょっこりと顔を出しこちらの様子を窺っていた四人(主にニコ)に手を振る。ニコは勿論ウパも手を振り返してくれた。何故かチィーも
「冥国さん久し振りです！お手合わせを今度お頼みしてもいいですか！」
「今それ言う時か？」
キラキラした瞳で聞いてきたリャンを撫でながら返答するが、何かソワソワするものを感じる
『ズズンッ!!!』
「っ！なんだ今の地震みたいなの…！」
「もしかして…猿鬼さんもう外に……」
「!?」
流河とやらの言葉を聞くや否や、雉は勢いよく走って行ってしまった。仕方ないので俺はそれを追うことにする
「看守が2人も居るんだ、お前達変な事はするなよ」
「冥国も行くのかよ！なら俺も行く！」
「馬鹿言え、俺は彼奴に貸しがあるから恩返しのような物だ。お前達は八力大仙と九力大仙に見張られてろ」
嫌な予感がする上悟空猿鬼という男がいる可能性が高い、こいつらにはなるべく安全地帯にいて欲しいがためそう言い雉を追いかけた
《外》
「ど…どういう事よこれ……」
唖然とする雉の視線の先には大会で見た事あるようなない様な、そんな物があった。ムサシを捕らえた檻に似ているものだ
「3010番…！何故ここに……！」
「貴様なぜそんな大怪我を…すぐに治してやる！」
「それよりもなぜお前がここに──」
「3010番」
犬の言葉を遮り俺に話しかけて来た人物…それに見覚えがあった
「悟空猿鬼……」
「…檻越しは久方振りだな、3010番……いや、【No.
「…ふんっ、そう呼ぶのは貴様だけだぞ、悟空猿鬼」
悟空猿鬼はそれを聞き流し、目を細め俺を見つめながらこう言った
「今度こそ逃がしはしない」
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作者名：エルフ・シャープナー | 作者ホームページ：http:
作成日時：2018年1月25日 22時
