投獄97 冥国視点 ページ2
「ぐぁっ！」
「3010番/さん!!」
星太郎と入れ替わった瞬間目の前に大和の拳。顔面は避けたが額に拳が入った
「ん…んぅぅ……」
「大丈夫かよ…あーあー、血が溢れて血みどろじゃねぇか」
「僕を庇って…っっ、ｸﾞｽｯ、ごべんなざいぃぃぃぃっ」
「…泣くな……綺麗な顔をしているのに勿体無い……」
頭が痛くてクラクラする中星太郎の頭を撫でる。自分が今何を言ったのか分からないが、星太郎が顔を真っ赤にしているので何か褒めたんだろう…
褒める部分あったか？
「あ、あの…て、手当しますね！」
「…要らん」
頭の傷を治し立ち上がる。まだクラクラするのは治らない様子だ。身体の傷しか治せないのか……
「…おい3010番。この札見た事あるか」
見せられた札に目を細めながら見ると、何処かで見たことのあるものだった
「…あの猿が以前俺にくれた護身符と似ているようだが…」
「彼奴抜け目ねぇな…その札役立つのかよ」
「大分前でな。いつの間にか使ってた」
「消耗品っ！」
なんて話しつつ大和を担ぐ。いつの間にか双六主任に半殺しされてたので医務室に連れていこうと思った次第だ
「だが珍しいな…どんな事があってもいつもより俊敏な動きで3010番だけは攻撃しねぇ奴が」
「まぁ、此奴もそんな事がある」
俺はそう言って医務室に向かった
《医務室》
「お前達ここで何を…？」
「あ！冥国…ってお前その血どうしたんだよ！」
「まぁ、諸事情があったのだ」
星太郎を庇ったなどと言えばまた騒がれると思い翁に大和を渡そうとすると
「3010番さんが、僕を助けてくれたんです…」
何故か照れながらそう言う星太郎。ウノやニコ、ジューゴはこれでもかと目を見開きこちらを見る
「止めろ！穴が開く！」
大和の額に口付けを施しそのまま部屋を退出。そのまま部屋に戻った
日記 冥国
昨年もそうだが昨日といい今日といい、この刑務所は問題が多すぎる。困ったものだな
大和の様子も、ロックの様子も可笑しかったと聞いた。二人とも五舎に居たと九十九が言うし、何かしらあったのは確かだろう。明日にでも双六主任に頼んで五舎に向かうか…
そう言えば、大和の傷が回復が速いと言っていたな……ロックやジューゴ達にも施してやらないと…誰にもバレないといいが
兎に角大和には起きたら俺の件を言わないように周りに釘を指しておかないと…暴れられたら困るからな
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作者名：エルフ・シャープナー | 作者ホームページ：http:
作成日時：2018年1月25日 22時
