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放課後、美琴は渡井先生に呼び出された。
それが授業中に寝てしまったことへのお咎めだとわかっていた。

「もう、夜遊びかなんかでそんなに忙しいわけ?」
夜遊びはしていないのだが、美琴の髪は生まれつき赤い。
これを地毛だという証明書や写真とともに、学校に提出しているが、渡井先生は信じていない。
染めているものだと思い込んでいる。

「毛染め落としここにあるんだから、これ使って落としてよね、その色」
どうやって落とせというのだろう。
毛を染めていれば落とせるだろう、しかし美琴の髪は地毛だ。

「無理だと思いますけど。地毛ですし」
と言いながらも、渡井先生の言うとおりにそれをとり、髪にかけた。

……もちろん、色が落ちるわけがない。


「ちょっと、どういうこと」
「あの、わたし地毛だと言いました」



何故かそこで、痛いくらいの沈黙とまなざしが美琴に向けられた。
何か怒られるような要素があっただろうか。

「まあ、あなたが言わなかったのが悪いし。証明書提出してよ」
「え、何言ってるんですか」


ひょっこり顔を出したのは、武だった。
「姉さんちゃんと証明書出してますよ?」
うぐ、と言葉を詰まらせる渡井。

武はわたしの妹だ。と言っても双子なのだけど。
名前からすると男のようだが、武は女の子だ。
「たける」という名前の通り、男のようで、かっこいい見た目。
紙は赤に近い朱色。それを首に届かないくらいの短さに切りそろえている。
私の髪は長く、ポニーテールにしている。


武は言い合いで負けたためしがない。

「何ならお母さん呼んでるので連れてきます」
「あ、ちょ」
ちょっと、と止めようとしたが、武はお母さんを連れてきた後だった。
「あら、うちの娘いびって楽しい?」
「なっ……」

担任の顔見て第一声がそれか……。

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さな(プロフ) - あと、読者の私からすれば行間を開けることや、登場人物の詳しい特徴…または情景描写が使われていたらもっともっと良くなると思います。初めましてのくせに生意気ですいません! (2020年1月1日 1時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - はじめまして。この作品がランキングの上位に入っていたので読まさせていただきました。オリジナル作品は基本的に目を通さないのですが、このお話はすごく先が気になります。 (2020年1月1日 0時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 名無し24146号さん» コメントありがとうございます<m(__)m>確かにそうですね……人の様子がわからないと内容が分かりにくいということになりますね。意識してみようと思います。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 十二国記さん» コメントありがとうございます<m(__)m>ええと、アンチスレというのがよくわからないのですが、評価の荒らしというものがあるという事ですか? (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - めぐっぽいど(偽物)さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2019年2月1日 11時

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