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結局わたしは、小学校の六年間、ずっと一人で過ごしていた、
なんてことはない。家でもずっと一人だった。



そして、中学校に入学した。
「深月!成績下がってるじゃない!」
「……ごめんなさい」
「この間も、その前も!あんたは何で、言われたことができないの?どうせずっと勉強サボって
どっかに遊び歩いてるんでしょ!?」
「……っ違う!」
ならなんで!と怒鳴る母を、わたしは感情をこめないで見ていた。
というより、視界に入れていた。

その日は、父も早く会社から帰ってきていた。
成績が下がり続け、学校で先生に注意されたことを言うと、仕事中の父に連絡し、
早退させたのだった。


「この、出来損ないっ!あんたなんか要らない!産むんじゃなかった!」
「……」
「謝ることもできないの?本当に悪い子だね!」
もう何とも思っていない。
無言で、ただ聞く……というより、受け流していた。



それは、あまりに突然の出来事だった。
急に、強く激しい風が吹いた。
窓は閉めてあるのに、おかしいな……と思って前を見ると、母の姿が消えていた(・・・・・)


いや、確かにさっきまではそこに、母が立っていた。
その証拠に、着ていた服が、そこに散乱していた。



目の前で人が消えた。

そんな話を、その日から普通にされるようになっていた。
原因はわからない、とされていることが、わたしたちの恐怖心を煽った。

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陰月。(プロフ) - 佐奈さん» コメントありがとうございます。まず月についてですが、月は人々を見守っているものとしています。人々が自分勝手というのは、本来の自分の姿を、非日常に直面したらどうなるのか、勝手ながら推測して書かせていただきました。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
佐奈 - また、人々の様子は自分さえよければよい、という自己中心的な人ばかりということも気になりました。ここはどんな意味を込められたのですか? (2019年2月2日 20時) (レス) id: 93469ef5f7 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈 - 題名に「終わる世界」とあるように、世界の終わりについてかかれたのですね。自分は枯れた月というのは世界の終わりが近づいたときの人々の様子と、主人公が月を見たときどんな風に見えていたのか、の二つを表しているのかなと思いました。 (2019年2月2日 20時) (レス) id: 93469ef5f7 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます<m(__)m書いている私が言うのも変な話ですが、私自身が振り返る元となった話です。 (2018年12月29日 19時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - すごく考える小説ですね!とても面白くて改めて自分を振り返る事が出来ました。頑張って下さいね。応援しています! (2018年12月27日 14時) (携帯から) (レス) id: 35b403556b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年7月1日 17時

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