将来の夢は、作家。

八 ページ9

朝からうるさい目覚まし時計を叩いて起きた。
今は何時……って、もう七時!?
え、学校遅刻するじゃん！

慌てて階段を下りていくと、
「あれ、紗月今日早いじゃん」
お母さんののんきな声が私を出迎える。
「ちょっとお母さん、何で今日起こしに来なかったの？」
「は？」
「だって今日学校じゃん。……？」


何がおかしいのか、私の言葉の途中からお母さんは笑いを抑えている。
「何がそんなにおかしいの？」
「だって今日は休みじゃない」
ついに笑いを抑えきれずに、吹き出したお母さん。
え、今日休み？

カレンダーを見ると、土曜日だった。
あ、土曜日なら学校は確かに休みだ。開いていないわけじゃないけど。
「もう、寝ぼけないでよ」
「それ、笑わせないでってこと？」
そうじゃないわよ、と言いながらも笑っているという事は、つまりそういうことじゃないのかと
言いたくなる。


朝ご飯を食べてからすぐに私は自室にこもる。
今日一日、自由に過ごしていい。
昨日書いた小説の続きを、書けるだけ書きたい。

どういうわけか、私は小説を書きたくないときがある。
そんな時は、原稿用紙を見ることすら嫌だと感じる。

嫌な時があるなら、当然その逆もある。
それが今みたいな時で、何も考えていなくたって、ただひたすらに続きを書き続けられる。

まあ、正直なところ私の文章力だと、グダグダしてしまうときの方が多い。


それがどんな理由かはわからないけれど。
でも、答えが考えてもわからないときは、ひたすら書き続けたっていいと思うんだ。

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