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半強制的に連れてこられたのは、オシャレなカフェ。

何のためらいもなく、中に入っていく日坂。
そして、一番奥の方にある、目立たない席まで歩いていき、店員さんを呼んだ。
「え、ちょっと待ってどういう」
「彼女に今日のメニューの中で一番おいしいお茶。後ケーキ」
店員さんに注文する日坂。

いや、ちょっと待って。
「誰もケーキを食べるなんて」
「はいよ。何でもいいか?」
「あ、えっ……はい」
店員さんも何も言わない。
さくらでなくても、これは困惑する。

私は日坂を見た。
「ねぇ、ちょっと何?」
「珍しい紅茶のお店。知り合いがいる。今は一番味が」
「いや、もういい」

クラスメイトがいないだけマシだ。
もしもクラスメイトがいれば、私は日坂の彼女と見られてしまう。


五分ほど待つと、オレンジ色に近い茶色の紅茶が運ばれてきた。
そして、日坂が強引に注文した、ケーキ。ショートケーキだった。
「あの、私お金」
「まずは紅茶を一口飲んでみて。そのケーキは紅茶を飲んだ後食べて」

何で日坂に食べ方の指導をされているんだ、と言いたくなったがこらえて、紅茶を一口飲んだ。
さわやかな香りが鼻を抜けていくのを感じる。
ショートケーキの角の方をフォークで小さく切り、食べてみた。
べったりした甘さはなく、さっぱりとしている。それでいて口の中にずっと残る。
「美味しい」


日坂は満足そうにうなずく。
他の人から見たら、紅茶いっぱいとケーキ一つで大げさだ、と思うかもしれない。
食べてみないとわからない。そういうものだ。

実際に自分がやってみないとわからないことは結構ある。
伝統的工芸品の技術は、一番わかりやすいものだ。
見よう見まねでやってみて、器用な人ならそこそこいいものができる。
でも、普通の人がやってみても、どこか納得いかない。


考えてもわからない。これは私の頭が悪いからだ。
いや、極端すぎる。
あー、ダメだ。あまり深く考えたことが無いから、考えがまとまらない。

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うたは(プロフ) - 陰月。さん» わざわざ返信ありがとうございます。ううん、なんでしょう。私からすると多いなあという印象なのですが、陰月。さんが書いていて心地よいならこのままでも、と思います。指摘した身だというのに申し訳ございません。これからの御活躍お祈りしています。 (2019年2月17日 17時) (レス) id: 14b840c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - うたはさん» 今更の返信すみません。やはり開業が多い方が読みやすいでしょうか?少し多めにしてみます。わざわざありがとうございます。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
うたは(プロフ) - はじめまして。このお話好きです。が、すみません、文の途中での改行が些か読みづらく感じました。これからも応援してます。頑張ってください。 (2019年1月20日 23時) (レス) id: 87a0c9cf89 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - コノハ【心葉】さん» コメントありがとうございます<m(__)m>気づくのが遅くなってしまいすみません(-_-;)夢が小説家、とはっきりしていていいと思います。 (2018年12月29日 19時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
コノハ【心葉】 - 私の夢が小説家なので、なんか、元気付けられました。 (2018年11月14日 17時) (レス) id: bac5683ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年3月22日 16時

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