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第五十六話 変わってゆく時代を窓から感じる ページ7

私の仕事は、主に家事。

晋助と小屋で過ごすようになって数年がたった。
最初は慣れなかった、料理や掃除も今や手慣れたもの。

身も心も成長していくにつれ、自分の体がとんどん成熟していくのがわかる。
身長はもちろん、髪の長さや体の柔軟さや...胸のふくらみ。

自分の事を同性だと勘違いしていたはずの晋助は、そんな風に成長してくAに驚きもせず受け止めていた。


高杉の方も、やはり成長するにつれ背丈も体つきも変わり、かつての華奢な少年とは似ても似つかない体格へと変わっていった。

何もかも変化するのにも関わらず、私の失声症は相変わらずのまま。


「...行ってくる」


高杉は毎日のように外へ出かける。
それを見送るのもAの仕事。

Aは幼い時高杉に、この小屋へ連れてこられた日から一度も外出をさせてもらえなかった。
必要なものは高杉が買いだしに行く。

外側からかけられる南京錠、鉄格子のついた窓、小屋から抜け出すことなど不可能だった。




「...」


外への憧れに思いを馳せる。
だが今のAには訴えることもできない、肝心な声が出ないからだ。


数年たった今。


今だに銀時や桂にも会えない。
高杉から二人に会わせようといったような行動さえ見当たらない。


もう何年もこの状態なのだ。

さすがのAにも不安が募る。



(...皆は無事なの...?先生は...?)


安否を知るのは高杉だけ。
自分は何も知らされないまま、ただ月日だけが過ぎていく。


そんな日常を良くも悪くもようやく断ち切る出来事が、起こった。


人間と天人との戦い。
...攘夷戦争。


数多の星々の天人たちが地球を侵略しようとやってきた、それに対抗するため武士たちが刀を掲げ抵抗する。
その戦いが、戦争となり両者から大量な鮮血が流れた。


その戦争に、高杉晋助も参加した。


鬼兵隊という猛者達を引き連れ、最前線で戦う高杉。

毎夜、傷だらけで帰ってくる彼には心配が尽きなかった。
彼は私が口をきけないことを良い事に、詳しい事は何も言ってくれなかった。

だが、私はそこまで平和ボケなどしていない。

晋助から最小限に伝えられる言動で感じ取る。
その戦争には先生の首が掛かっていて、先生を護るために...銀時や小太郎も参加している。

断言はできない、確信もできない。
私は窓の外を見つめることしかできないのだ。

第五十七話 絶望の淵に追いやられて→←第五十五話 名前という名の首輪を 〜過去〜



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 銀魂小説   
作品ジャンル:恋愛
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白桜姫 - 続き無いんでしょうか? (2018年11月16日 2時) (レス) id: d2ccbb161c (このIDを非表示/違反報告)
幸村時雨(プロフ) - 夏希さん» コメントありがとうございます!応援、とても励みになります^^更新頑張りますので、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 22時) (レス) id: 7a07976017 (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - 面白いです!頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2018年4月2日 21時) (レス) id: 7d93fff421 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸村時雨 | 作成日時:2018年3月25日 1時

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