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「いやぁあっ!誰か助けてえっ!」
女性は必死に助けを乞うが、むなしくも裏路地に反響するだけだった。
男二人は女性の服を脱がせながら、厭な笑いを浮かべている。
「へへへ、誰も来ねーよ。国軍の警官どもは貴族のお守りで手いっぱいさ!!」
だが、男の後ろから大きな手が伸びる。
「うわああ!?」
上半身裸の大男に頭を掴まれ、宙づりにされる。そして金髪の男性が股間に蹴りを入れ、男はデュンと声にならない叫びを上げた。
そして一人残された男のもとへも、眼帯をした男が向かう。
「なっ、なんだてめーはぁぁ!?」
「────『
ドム、と男のみぞおちに拳がめり込む。
男二人は泡を吹きながら、呆気なく倒れた。
「ケッ、女の操を奪おうなんざ、だせぇ盗みしてんじゃねぇ、チンピラどもが!おい女、あっち行け!」
しっしっと手を振れば、女性はお礼を言いながら走ってゆく。
───元・採掘砦の盗賊団頭領、SML3兄弟。日銭を稼ぐために、こうして毎日追いはぎをしているのだ。
Mナンドは男の服を漁りながら、あの昼寝男の装飾品を売ればいいのでは、とぼやく。
「この宝はなァ、売るわけにはいかねんだ。その理由は、この『煌』だよ」
「『ふぁん』?」とエムナンドが聞き返す。
「ああ。これは煌帝国の通貨だ。煌帝国ではこれが金として流通してるらしい。そしてその上、奴らはそれをバルバッドを含めた近隣国にまで強制し始めたんだ。その強大な軍事力で脅しながらな。
だが俺は、こんな紙キレ信じねぇ。信じるのは金貨や銀貨のみ!だから宝はここに埋めておくのさ。これはこの国を脱出した時に掘り出して外の国で売る」
「今この国で金貨に換えればいいのでは、兄上?」
「それがよぉ、この国はもう金貨銀貨がほとんどねぇんだ。船も止まり、国の外へも出られねぇ。今はここで、国軍から逃げ続けるしかねーぜ」
「もし、そこの三人」
シンドバッドから奪い取った装飾品の数々を地面に埋めた帰り、町で声をかけられる。
「あなた方があの悪名高い採掘砦の盗賊団の方々ですね?話があります。共にお越し頂けませんか?」
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名無しさん(プロフ) - 、さん» 失礼しました。先程外しました。3の時も指摘して頂いたのに、大変申し訳ありません。 (2018年2月17日 17時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - MIZORE@厨二の魂百までさん» ありがとうございます!しばらくは原作をなぞるだけになりますがよろしくお願いします。 (2018年2月17日 17時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 続編も4まできてオリジナルフラグ外し忘れはないんじゃないですか? (2018年2月17日 17時) (レス) id: 5c20bbbbb1 (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE@厨二の魂百まで(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください^^ (2018年2月17日 17時) (レス) id: d47704566c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無しさん | 作成日時:2018年2月17日 17時