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モルジアナには、最近わかってきたことがあった。
床を踏む脚に力を入れて蹴り上げる。彼女の体は、まるでウサギのように跳ね上がった。
男達がナイフを手にしても慌てることはなく、床だけでなく奴らの頭をも踏み台にしてそこらを飛んでいる。トン、タタン、タン、とリズムに乗って。
────私の体はみんなとちがう。みんなより高く飛べる。早く動ける。なぜかしら？
──────わからないけれど、戦いになると……体から、力がわいてきて止まらない！
もう一度脚に力を入れて高く、弓なりに反って……
「飛んだ──────っ！！？」
◇
「なんだあ、下が騒がしいな」
頭領はやっと下で何かが起こっている事に気付く。それと同時に、盗賊団の下っ端が一人ドアを開けた。
「頭領！侵入者です、少女が一人！」
「……少女？」
下っ端の言葉に反応したのは、頭領でも他の団員でもなく、奴 隷商人ファティマーだった。
「異民族風の赤髪のガキで…動きが早く、足技が強く、手が付けられません！」
ファティマーは赤髪、足技、と復唱する。なにか思い当たることがあるまらしく、椅子から立ち上がった。
「どけっ！俺がやる！」
エルナンド、と呼ばれたモルジアナの数倍の大きさはあろう巨体の男が他の団員を押しのけて前に出てくる。手には斧を持ち、モルジアナが見上げたころにはもう振り上げていた。だが、斧ごときで止められるはずがない。
エルナンドが振り下ろして斧が直撃するより速く、モルジアナは彼の右肘に蹴りを入れる。肘がいってしまったようで、ベキッと不快音がした。そのまま休むことなく、エルナンドの顔、胸、腕、腹に打撃を入れる。
「あの強靭な脚力、獣のような戦いぶり、あの少女はまさしく……」
「はぁああ────っ！」
回し蹴りが頭に炸裂した。それがとどめになり、エルナンドはあっけなく地に伏せる。
──────戦闘民族、『ファナリス』！
窓からその様子を見ていたファティマーは拳を握ると、呟いた。
「ねぇ頭領さん。あの子欲しいわ。もらってもいい？」
ファティマーの訳の分からない提案に、頭領はすこし怖じ気づきながらも答える。
「え！？え、ええ、捕まえてくれるんで！？構いませんけど……」
「……ありがと」
そう礼を述べ、妖艶に微笑んだ。
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名無しさん(プロフ) - 、さん» 失礼しました。先程外しました。3の時も指摘して頂いたのに、大変申し訳ありません。 (2018年2月17日 17時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - MIZORE@厨二の魂百までさん» ありがとうございます！しばらくは原作をなぞるだけになりますがよろしくお願いします。 (2018年2月17日 17時) (レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 続編も4まできてオリジナルフラグ外し忘れはないんじゃないですか？ (2018年2月17日 17時) (レス) id: 5c20bbbbb1 (このIDを非表示/違反報告)
MIZORE@厨二の魂百まで(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください^^ (2018年2月17日 17時) (レス) id: d47704566c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2018年2月17日 17時
