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案内されたのは会議室と思われる部屋だった。



奥の席を案内されて座れば、改めて名刺を渡される。



“高海 爽太”



名前から既に爽やかな男だった。



隣に座る蘭ちゃんは私の手から名刺を抜き取ると、見えない位置に隠してしまう。



その行動を不思議に思いながらも、高海さんが用意してくれたお茶に口をつけた。



猫舌には辛い熱さだ、とお茶を机の上に置くと高海さんは口を開く。





「裏コード、ですよね…?」





蘭ちゃんの設定の事だ。



やべぇ、もしかしてダメなやつだった?よね?





『間違ったままセットアップしちゃったみたいで……。』





最後の方は聞き取れただろうか。



後ろめたさから、声が自然と小さくなってしまう。



すると高海さんは、すごいですねと予想外に笑ってみせた。





「全く違う数字列なのに。」





そうだったのか、見ないまま次へを押してしまっていた私は、曖昧に笑う事しか出来ない。



蘭ちゃんは何故かすごく不機嫌そうな顔で黙りだ。





「本題ですが、エラーコードって分かりますか?写真とかあれば…。」





『写真はないんですけど、こちらです。』





私はバッグから手帳を取り出して、エラーコードを書き込む。



“128√e980”



それを見た高海さんは首を傾げた。



こんなエラーコードは無い、と言い切る彼に私の脳内が混乱する。



開発元ですら分からないバグってこと…?





『え、それって蘭ちゃん大丈夫なん、あつ…っ!!』





焦って身を乗り出した私は、手元にあったお茶を倒してしまう。



倒し方が悪かったのか、少し太ももに浴びてしまった。





「大丈夫ですか!?」





席を立って私に駆け寄ってくる高海さんを、蘭ちゃんが止めた。





「Aに近付くなよぉ?」





高海さんの胸ぐらを掴む蘭ちゃんを慌てて止めるが、彼はぴたりと固まっていた。

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☆真菜*(プロフ) - すごく面白かったです!私の小説の方で名無しさんのことを宣伝(紹介)してもいいですか? (2023年3月28日 9時) (レス) @page15 id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
灰音 - とっても面白かったです!続きとっても気になります!学校のみんなにもすすめたら面白いといってました!これからも頑張ってください! (2022年1月25日 18時) (レス) @page15 id: 2bb9e850cc (このIDを非表示/違反報告)
maaru - こんにちは!maaruです!最近読ませていただきました!続きがとっても気になります!!もともと蘭ちゃん大好きだったので幸せに浸っていました〜^_^更新頑張ってくださいさい応援しています! (2021年12月29日 20時) (レス) @page15 id: d273a29e63 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - まいまいさん» まいまいさんコメントありがとうございます!🙇‍♀️嬉しいです😭エラーコードはちょっと臭いかなって不安でした😂面白い作品と言っていただける様これからよ頑張ります💪 (2021年11月30日 8時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - アンドロイド蘭ちゃん、めっちゃかっこよくて好きです。エラーコードまで愛のメッセージなんてもうなんかロマンチックすぎます、、!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます〜( ´∀`) (2021年11月30日 0時) (レス) @page15 id: 40edf5f5b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し | 作者ホームページ:https://twitter.com/nns_dreamgirl?s=21  
作成日時:2021年11月17日 23時

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