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「それは『僕が死ぬ運命を捩じ曲げる』ってことと、関係しているの？」
「理解が早くて助かります。関係というよりも、それはもう核心を突いていますね。
そして琥珀はそのために、何度も時間を巻き戻していました」
「……ちょ、ちょっと待って」
アラジンも薄々気付いてはいた。
琥珀に関する記憶は、どれもばらつきがあった。記憶によって、弱々しかったり、妙に暴力的だったものもあった。
そのどれもが琥珀と分かっているのに、自分の経験からしっくりくるものは、ごくごく一部だけだったのだ。
それでも『時間を巻き戻す』なんてとんでもないことを口に出されれば、やはり飲み込むのに時間がかかるのは道理だ。
だってそれは、人を生き返らせるのと同じくらいに、世界の摂理に反することだ。
「時間はありません。効率的に物事を飲み込んでもらうためにも、結論から話します」
梟はひどく落ち着いていた。
彼にとっては、琥珀の過去よりも、これからの行動に重きを置いているからかもしれない。アラジンが頭の中を整理するよりも先に、結末から話し始めた。
「真相はこうです。
琥珀が
あなたにとっては、まだつい最近の出来事でしょう。世界の命運を分けるあの戦いで、かつてのあなたは琥珀を庇い、死にました。
そして彼女は、その結末を変えるためにインキュベーターと契約し、世界の摂理や規則までもを凌駕する力を手に入れるに至った───
そうして何度も何度も何度も、気が遠くなるほどの年数を重ね……ついに限界を迎えたのが、あなたの記憶に残る『琥珀』です」
───頭の中がカラになる感覚。
アラジンの脳内が揺さぶられるのも構わずに、梟は琥珀の生涯を簡潔に暴いた。
たった数分にも満たないうちに話された真相を飲み込むのに、一体どれくらいの時間を要したのか分からない。
琥珀が一体、今から何年前にこの世界に産み落とされたのかは分からない。それでも、気の遠くなるような───少なくとも、アラジンに会って、あの戦いまでの五年間……いや、その程度で済むならいいほうだろう。
聞くのは怖かった。けれど、どうせ後から分かることなのだ。この梟が言ったように、その順番が前後するだけ。
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名無しさん(プロフ) - 藍茶さん» 藍茶さん初めまして、ご感想ありがとうございます！返信が遅くなってしまってすみません。この状況下なので私生活でも色々あったのですが、できるだけ更新ペースも元に戻していきたいとは思います。よろしくお願いします (2020年6月4日 16時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
藍茶(プロフ) - 最近読み始めました。めっちゃ面白いです！更新待ってます(*´ `*) (2020年5月10日 1時) (レス) id: cd49a05e5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2020年3月4日 21時
