ネクタイを緩めたら

見えない信頼関係 ページ4

side A



話題は、4月にある新入社員歓迎会の話しに。



藤ヶ谷「今年もいつもの居酒屋かな〜。広いし、料理も美味いし」


玉森「また藤ヶ谷さんが幹事やるんですか？」


藤ヶ谷「俺しかいないだろ...笑 北山はやってくれないだろうしな」



藤ヶ谷さんは呆れたように笑って、自分の缶コーヒーを飲み干した。

北山さんと藤ヶ谷さんは、必要最低限のことしか話さないけど

それでもお互いを信頼し合っているように見える。


そういうパートナーというか、戦友というか

そんな2人の関係には、ちょっと憧れを覚える。



玉森「たまには北山さんがやったらいいのに」


藤ヶ谷「だめだめ、あいつ飲み会のノリとか得意じゃないし...隅で大人しくしていたいってこの前言ってたよ笑」



実は私も...飲み会でわいわいした雰囲気は得意じゃない。

皆の前で面白いことしたり言ったり出来ないし...



藤ヶ谷「そんなに遅い時間までやるつもりないからさ、Aちゃんも無理しないでね」



そんな私の性格を知っている藤ヶ谷さんは

私を気遣って心配してくれる。

やっぱり優しいな...



A「ありがとうございます...！でも、楽しみです」


藤ヶ谷「そう？ならいいけどさ〜」



藤ヶ谷さんがそう言ったとき、時計の針はちょうど13時を指して

私たちは慌ててデスクまで戻った。

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