25話 ページ26
私はため息をつきながら見守っていたが、ふと太宰さんにいわれた。
「二人共、よく見ていたまえ。あれが探偵社を支える能力だ。」
乱歩さんがメガネを取り出し、かけた。
「─異能力・『超推理』」
するとぶわぁっと風が吹く。乱歩さんの探偵服がバサバサなっているが、他の人みたいに周りに文字の光が出てくる訳では無かった。
人によって違うのだろうか?と疑問に思った。まぁよく知らないし、分からないけど。
乱歩さんは犯人を見つけた様だ。
「犯人は───」
ゆっくりと乱歩さんが指さした先にいたのは。
「君だ。」
杉本巡査だった。
乱歩さんを馬鹿にしていた刑事さんが笑いだした。どうやら間違ってると思っているようだ。
私もおかしいと思った。だって二人は恋人同士の筈だ。杉本巡査が犯人と言う事は、杉本巡査が恋人である女性を殺した、という事になるのだ。
「乱歩さん、じゃあ杉本巡査が恋人を殺したと言う事ですか?」
私の問いかけに便乗して、刑事さんも
「そうだぞ。それに、犯人が杉本だとしたら何でこんな近くで調査を…」
「犯人だからこそここに居たがる。」
乱歩さんはそう言った。
乱歩さんの推理はやけに具体的で。不思議と納得した。
「ほぉ、ほぉ、犯行時刻や場所まで分かっちゃうんですね。凄い異能力。」
そう言うと乱歩さんは得意げに
「ふふん!そうだろう!そうだろう!」
と言った。
「っそんなの」
「証拠も分かる、と言っただろう?」
刑事さんの言葉を遮って乱歩さんは言った。
乱歩さんは杉本巡査に拳銃を出せ、と言った。一般人には渡せない、と杉本巡査が言った。
あ、そうか、『一般人』なんだこの人達。
ていうかこんな物騒な世界にもそんなモラルっぽいのあるんだ…。
私は吹いてしまった。
「な、何がおかしいんですか!」
「いやー、ふふっ…。朝からこの人達といるんですけどね?…ふふふっ…一般人に拳銃渡せないって今更…ふふっ!」
朝から機関銃を見て、探偵社の襲撃を間接的にとはいえ見て。出会って間もないこの人達は私の中で『一般人』では無い。警察よりそう言うのに関わっていそうである。
なんて言うんだろう。
あ、対象年齢七歳以上って書いてあるおもちゃを十歳の子に危ないからと渡そうとしない八歳児って感じかな(たとえわかりにくいよね!)
それに…
「渡せば、渡すだけで無罪が証明されるんですよ?ほれ、自分が犯人じゃないというのならば、早く拳銃を差し出してください?」
そう言っても尚、杉本巡査は拳銃を渡そうとしなかった。
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椿(プロフ) - 敦くんの茶漬け食いたい(( (2019年2月20日 18時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
小山田リリ - ましゅ麻呂さん本当に尊敬します!!私も頑張ろ)) (2019年2月19日 20時) (レス) id: 196d5d8b2f (このIDを非表示/違反報告)
茨姫 - とても良かったです!私も頑張ってみようと思ってみました! (2019年1月26日 22時) (レス) id: 6a42e59c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年1月26日 20時