26話 ページ27
一向に渡そうとしない杉本巡査に刑事さんが言った。
「杉本、拳銃を差し出せ！」
「しかし…」
「いいから拳銃をだせ。それだけでこの推理が間違ってると証明できる！」
しかし杉本巡査は拳銃を差し出そうとはせず、ただ黙っているだけだった。
乱歩さんの推理があっていたって事がほぼ確定されたね。最初は私も嘘だと思っていた。しかし、乱歩さんのやけに具体的な推理と、今の拳銃を出せない杉本巡査を見て納得した。
この人自分の事『世界一の名探偵』とか言っていたけれど。難航していた事件をこうもあっさり解決してしまう辺り、冗談じゃ無いのかもしれない。
乱歩さんは言った。
「いくらヨコハマと言えど一般人が銃弾の補充を行うのは難しい。
彼は考えている最中だよ。減った三発分の縦断についてどう言い訳するかをね。」
杉本巡査の顔色が変わった。
「杉本っ！」
刑事さんが叫ぶ。
ゆっくりと杉本巡査が拳銃を抜き取った。そして引き金に指をかけ…
私に銃口を向けた。
…身長の問題で下向きなのがちょっとかっこ悪いが。
「(´Д｀)ﾊｧ…今日で二回目です。銃口向けられまくる体質なんですね、私。」
警察官が幼女に拳銃を向ける。中々滑稽な絵面である。
この人は、マフィアとかじゃ無い警察官。まだ止められるかもしれない。
「いいんですか？私を撃とうが撃たまいがどうせあなたは捕まる。殺人容疑にプラス殺人未遂なんて。そんなに罪を重ねてしまっていいんですか？」
私は重ねすぎてしまった。本当はたった一回でも重い重い罪なのに。…だから償いたい。どうしても償いきれるものじゃ無いかもしれないけど。流されながら行ってきたそれらの行為全てが、今思い出すだけでも胸に刺さる。
私が人を殺めさせられた理由なんてどれも汚かったなぁ、なんて。
証拠隠滅、金欲しさ、憎しみなどなど…。人間らしい理由だけど…。なんていうか、醜いなぁっていうのがあの職業でよく分かったよ。
私だってそう後悔してるのに、そう簡単に積み重ねようとしないで欲しい。
「あなたに今私を殺める明確な理由はないでしょう？…理由も無いのに人を殺めるなんて馬鹿げてます。」
私は寂しい気持ちでポツリと呟いた。
その言葉を聞いてか、杉本巡査は拳銃をおろした。
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椿(プロフ) - 敦くんの茶漬け食いたい(( (2019年2月20日 18時) (
レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
小山田リリ - ましゅ麻呂さん本当に尊敬します！！私も頑張ろ)) (2019年2月19日 20時) (レス) id: 196d5d8b2f (このIDを非表示/違反報告)
茨姫 - とても良かったです！私も頑張ってみようと思ってみました！ (2019年1月26日 22時) (レス) id: 6a42e59c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましゅ麻呂（とよ） | 作成日時：2019年1月26日 20時
