認めたくない ページ10
...
「藤原サンってさぁ、本当に徹のこと好きなの?」
松川と暗くなった廊下を歩いていると、近くの空き教室からそんな高い声が聞こえてきた。
興味本位で少し覗いてみると、そこでは数人の女子と対峙している藤原の姿が。
「そっ、そうだけど」
「……アイツら何してんの?」
「洗礼」
簡単に言えば、徹の彼女になった人や、バレー部のマネになった人がよく受けるモノだ。
これに耐えかねて、徹の彼女を辞退するという人も数知れないと言えるだろう。
実際、私も受けた。
「徹は真面目にバレーやってんの。だからアンタみたいな中途半端な奴が彼女やるとマジ迷惑だと思うんだよね」
「……私だって、少しでも徹くんの好きなバレーのこと分かろうと思ってるよ」
「だーかーらー、お前のそういう気持ちが中途半端なんだよ」
苛立ったように睨んできた女子に、藤原の肩がビクリと跳ねる。
それを見て、松川が目配せしてきたが私はその顔を見てキッパリと首を振った。
「バレー部のマネだったら徹以外の選手も見ろよ。お前は専属じゃねぇんだよ」
「本気でバレーをやっているアイツらを支えたいと思うんだったら、そんな弱い女になるんじゃねぇクソ女!!」
怒気を含んだ低い声に、空気がビリビリと震えて一瞬で全身に鳥肌が立つ。
藤原が彼女たちにどんな思いを持ったのかは分からないが、これで折れていたならばこの先徹の彼女はやっていけないだろう。
実際、これの他にもバレー部を辞めろ徹と別れろと言ったファン達からの恐喝もある。
「……お前なんかが、徹の隣に立つ資格なんて無いんだよ」
ボソリと聞こえた弱々しい声を最後に、私は松川の腕を引いて校門へと向かった。
...
429人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
逝き - 完結おめでとう御座います〜番外編も楽しみにします〜 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 26d0e9c3e0 (このIDを非表示/違反報告)
みずたまみさき - めっちゃ面白い!浮気系好きなんですー!!頑張ってください!! (2019年1月30日 18時) (レス) id: 88a569b2f9 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 宵伽さん» 返信が遅くなってすみません。実は私、こういう浮気みたいなものが書きたかったんです 笑。更新頑張ります!! (2019年1月27日 15時) (レス) id: 938638b464 (このIDを非表示/違反報告)
宵伽(プロフ) - こういうお話大好きです!!夢主ちゃんがんばって!作者様も更新頑張って下さい! (2019年1月21日 18時) (レス) id: 43b2ca551b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Runa | 作成日時:2019年1月13日 22時