三角関係【黄】【緑】 (ページ17)

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錦戸side

『あ、もしもし？今何してた？』

最近減ってたAからの電話が、今月だけで2回も来た。

「いや、特になんにも。なんで？」

普通、女が何してた？とか聞いてきたら、誘ってんのかな、とか思うやんか。

『いやー今一人で飲んでてさー、』

「どこで？」

『ほら、よく行くとこあるやん。あれあれ。』

「今おんのに名前わかれへんとかお前大丈夫か笑。」

『いい感じになってきてんの笑。』

通りでじゃっかん喋り方がへにゃへにゃなんか。

「珍しな、誘ってくるとか。」

『いやー笑』

照れ笑いっていうか、苦笑いっていうか、とにかくスマホの向こうから伝わってくる。

『やっぱり1人でおっても寂しい時ってあるしね、亮ちゃんもうさぎやからわかるやろ？笑』

普段は寂しかったら大倉呼ぶのに、今日は俺を呼んでる。なんでかも分かってる。なのに、期待するとかあほちゃうか、俺。

けどさ、メンバーかってあと5人もおるのに、あん時電話してきたのは俺やった。

他にも掛けて、出えへんかったから俺にかけたのかもわからんけど、俺は出てん。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『こっち。』

暗くて少し小さめのバーに入ると、カウンター席で少し顔を赤くして飲んでるAが手を振ってきた。

「ホンマAの方がうさぎやで。」

『亮ちゃんに言われた無いわ笑。』

顔も赤くて、髪の毛も少しボワッとしてて、口調もへにゃってる。

「結構飲んだん？」

『んー、わからん笑』

ずっとへらへらしてるし。

「そんな状態で言うても忘れるかもわからんけど、俺らドラマ決まったで。」

『え！ほんま！？』

「おん、さっきマネージャータクシーで電話きた。」

『えーどんなやつ？』

「不倫物らししいで。俺がちっちゃい事で奥さんと喧嘩して、離婚準備？始めんねんけど、まだ、俺は奥さんのことを好きやねん。」

『まじか。』

「んで、忘れるためにAに出会って、恋愛してみて、一時は幸せも感じるけどやっぱりーみたいな。」

『私めっちゃ切ないやんか笑』

そう。めっちゃ切ないねんで。