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「にしても寝込みを襲われるなんて、不憫だねぇ」
俺は今ターゲットの寝室の上、つまり屋根裏にいる
時刻は1:45
ターゲットはもうすでに帰宅しており少しの書類整理を終えた現在は就寝に向けてシャワーを浴びているようだ
「男のシャワーシーンなんて興味ねーんだよ」
俺がぼやいているとキュッという音と共に水の音も止まった
事前に貰った書類によるとターゲットの名前は「松山一和」、年齢は63歳、そして法に触れる行動では 「国の金を横領」「売春」「麻薬の使用」「違法物の密輸」
等々のことをしでかしているらしい
どうやらその過程で今回の依頼主にとって都合の悪いことがあったのだろう
カチリと秒針がなった
瞬間
「!?」
俺の立っている床が抜けた
もう一度言おう、床が抜けたのだ
「誰だ!!」
ターゲットと目があってしまった
「おっと、静かにしてくれよおっさん」
騒がれたら面倒臭いことになる
予定と少し時間がズレたが問題ないだろう
ダンッ!!
俺はターゲットに馬乗りになり口に人差し指を当てながら忠告をする
「黙ってろ、命乞いの時間をくれてやる、妙な気を起こすなよ」
床には花瓶が割れ中の水が広がり
ターゲットの首にはナイフが突きつけられている
そっと手を離すと堰を切ったように、唾を撒き散らしながら命乞いをはじめた
「頼む!助けてくれ!金ならいくらでもやる!いくらほしい!」
余程死にたくないのだろう、酷い顔だ
「それだけか…?せっかく時間を裂いてやったというのに無駄だったようだな」
「ま、待て!!私にはたった1人の愛娘がいるんだ!あぁそうだ!私の娘はとても美人なんだ!どうだ?嫁にほしくはないか!」
己の身可愛さに娘までも利用するのか
なんともまぁ
醜い
「そうか、残念だよ、松山一和」
「このっ…餓鬼…!!」
人間なんてこんなものか
「じゃぁ、死ね」
時刻は1:50
花が咲いた
赤い花だ
月光に照らされるその姿は怖いほどに美しい
「あ、さっき落ちたときに引っかけちゃったのかな」
少年の服は左肩から右脇腹のところにかけて盛大に破れてしまっていた
「着てる意味ないじゃんこれ、松山さんのシャツ貰ってこ〜」
少年の上半身が露わになると左鎖骨にはあの特徴を確認することができた
そう
“A”の文字だ
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カメレオン(プロフ) - 派生作品ありがとうございます。とても面白いです続きが気になります……更新頑張って下さい…! (2021年12月31日 13時) (レス) @page1 id: 2d4ca43412 (このIDを非表示/違反報告)
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