空に咲く櫻 (ページ11)

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Shine day ページ11

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君がいなくなって20年

もう俺は大人で職に就いて働いてる

20年も経てば周りはガラリと変わる

古びた精肉店はオシャレなカフェに変わり

街の小さなスーパーは隣町のスーパーと合併して

大型スーパーへと変わった

でもあの公園だけは変わらずそこにある

俺は就職した際に仕事場から近い場所で

ひとり暮らしを始めたけど

住みなれた

君との思い出がたくさん詰まった場所を

やっぱり離れたくなくて

アパートを売り飛ばしてここに戻ってきた

だからこの歳でいまだに実家暮らしだ

でもそろそろここの空きのアパート探ししようかな

少しばかりか、いやだいぶ恥ずかしいからさ

あの公園に行くと君との楽しい思い出が蘇るけど

嫌でも思い出すのは君がいなくなる前日のこと

あの日しょうくんは少し様子が変だった

なにかあったなら

しばらくすれば話してくれるだろうと思い

そのことには触れなかった

いつも通り楽しく遊んでいたけど

時折、しょうくんが時計を見て

悲しそうな顔をしていることに気がついた

その時は帰るのが寂しいのかなとしか思わなかった

約束の帰る時間になり

家に向かってる途中、しょうくんが急に足を止めた

どうしたの、と訊くより先に

＂ねぇ、さとしくんは…僕がいなくなったらどう思うの？どうするの？＂

としょうくんのか細い声が聞こえた

どうしてそんなこというのっ！といえば

＂いいから僕のしつもんにこたえて！お願い、知りたいの。＂って

俺はバカなことにその後、

なんて答えたかは覚えてなくてただしょうくんの

＂そっか、ありがとう。＂

と言って儚げに笑った顔しか覚えていない

大事なところだけが抜け落ちた記憶

そんなのに意味があるのだろうか

俺の役立たずの頭は

しょうくんの笑顔でいっぱいなだけだった