おはよう ページ32
朝起きると、あの時から絶やさずカワムラちゃんからのLINEが来ていた。
「今日ほんとに大丈夫なの？ってかあんた全然有給使わないからみんな心配してたよ、特に部長は。」
あ〜前もって…旅行って言えば良かった。
お土産とかもないしな。バレちゃうか。
「ほあよお〜、、今日から仕事…？」
ピョコンと寝癖を立てたままの丸ちゃんが起きて来た。
今日は休みだって、昨日そのまま泊まった。
「おはよ、うん…でも有給した理由どうしよっかなぁ〜って。」
「そんなん、彼氏と旅行でええやん！いや、んー彼氏って言うか もう夫になるんやけど……な(笑)」
「そんなテキトーに…」
「じゃあ、俺の実家行く…？」
「へ……」
そんないきなり男の顔になるのはやめて〜〜〜〜！！
「や、だってそろそろ行こうかなぁ〜とか思ってたし。丁度ええやん！！」
…目が点になっている私をクスリと笑うと
「行かへんの？」
なんていたずらな目でこちらを見つめた。
だから、ずるいって…そんなの、
「行く…」
って、言うしかなくなっちゃうじゃん。
丸ちゃんが子どもみたいに よっしゃ！なんて笑ってるけどずっと、言いたかったんだろうなぁ〜って、
私も丸ちゃんとずっと同じ気持ちなのにな。
丸ちゃんはいつでも素直で、すぐに気持ちを伝えてくれて私はすぐになんて言えなくて、後から言って…
全部、丸ちゃんからで。
「丸ちゃん、ごめん…私」
「…っえ？」
「先に、私の実家…来ない？」
「……」
っ…丸ちゃんが黙っちゃった。
こんなこと、付き合ってた当初もあったよね。
やっぱり…私の気持ちを伝えても……
「行く！！！」
「…っえ！？」
「やから…Aちゃんの方から、行くよ。当たり前やん？大事な娘さんを嫁にもらうんやもん。」
「丸ちゃん…」
「ごめん。言えへんくて…ずっと。強引やなぁ〜とか自分で思ったりしたら切りなくて。俺の実家行ったら気持ち…変わらへんかなぁって。でも、Aちゃんの気持ち、今聞いちゃったんやもん。嬉しくて、表情筋がゆるゆるやわ(笑)」
いつも1人で考えさせて、ごめんね。
「丸ちゃん、私もね…気持ち、ちゃんと言うから。だから一緒考えて行こう？指輪のことだって……」
「すまん！それは…ほんまにごめんなさい。先走っちゃって、会見の時も…ずっとそうなんやけど。ごめん、グダグタで。不満を持たれても仕方ないなって思ってるんよ。最近俺、めっちゃ頼りない…よなぁ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな | 作成日時：2018年6月10日 22時
