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いつの間にか目の前には現れた宿儺らしき人形。
すぐに補助監督が操っているのだと気付いた。
彼女の手の中の宿儺は「ガウガウ〜」とこちらに威嚇してくる。
なんとも可愛いものだ。
「次に彼の妹、七竃の話よ。」
すると可愛らしい宿儺の人形とは打って変わり、物々しく、黄色のつり上がった目を持つ人形が現れた。
「彼女は宿儺と同じく1000年以上前に生きていた妹の七竃よ。不老不死で、今も生きてるの。
横暴で陰険、平安生まれなのに身長170cmの高身長だったり、眼力で人でも殺しそうな目付きの悪さだったり、」
何よりも性格が悪い。さすが呪いの王の妹だね。
その日はこの会話の直後に五条さんが帰ってきて、すぐに帰路についたため話は終わった。
今思えば、その時から五条さんは補助監督が作った兄妹の人形も、宿儺には一切興味を示さず葵夜の人形ばかり眺めていた気がする。
五条「目付き悪……」
補助監督は返して欲しそうだったが、ガン無視で楽しそうに人形劇を繰り広げる。
幼児ならまだしも、こちらは年頃の男子。窓の外を眺めている方がよっぽど有意義だった。
五条「あぁ、サトル!あなたは何故サトルなの?!ああ、葵夜!お前は何故葵夜なのだ!!そう───」
伏黒「(なんでロミオとジュリエットでロミオがサトルになってんだよ…)」
五条「──恵」
伏黒「?…はい」
五条「1つの知見では多くの事は知れないよ。色んな大人に聞くといい。」
伏黒「…じゃあ五条さんも教えて下さいよ。呪術史について。」
五条「え、めんどいやだ」
伏黒「…」
それ以降。俺は送迎の人が変わる度、呪術について聞くようになった。
まだ子供ということもあって、大人は優しく、丁寧に教えてくれる。
ある人は式神について、ある人は禪院について、ある人は呪霊について。
俺が質問した時にも笑顔で答えてくれたんだ。
伏黒「だがな」
聞けど聞けども、いつだってお前は時代の悪者で、呪術師の敵で、
伏黒「ずっと違和感だったんだよ」
千年前に死んだ呪いの王は、それこそ色んな意見があって、“忌々しい”だの“恐ろしい”だの“実はかっこいいと思ってる”だの、噂も様々なのに、
まだ生きてるお前はいつ聞いても否定的な言葉だった。
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時