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葵夜「うーん…ごめんねぇ、あとちょっとなんだけど…」
虎杖「さっきから何悩んでんの?」
葵夜「記憶力の低下…」
虎杖「そんな…おばあちゃんじゃん……」
未だ誰も伊地知の名を呼んでいないせいか、葵夜の頭の中は特級のことよりも過去の記憶でいっぱいであった。
不老不死とはいえ、脳のキャパは常人と同じ。
その脳の許容量で1000年も生きれば、当然脳にインプットされるものも限られてくる。
事実、葵夜にはここ数十年の記憶が所々、ごく少数しか無い。
葵夜「(後輩なのが確かだとするなら、彼と関わったのは多くても2年…ダメだ全然記憶にない……な、なな)…あ」
伏黒「?どうした?もう行くぞ」
葵夜「健人だ!!!七海健人!!久しぶりっ!」
「「「「は?」」」」
ようやく思い出した後輩の名前。
五条の一つ下の学年で確か2人組の片方。
容貌などもはやシルエットでしか覚えていないが、メガネに七三分けは確か彼であったはず。
意気揚々と伊地知に笑いかけ、久しぶりの再会にハイタッチをしようと手を上げるも、「わ、私…?」と仰天し冷や汗をかきまくり応答してくれない。
虎杖「……伊地知さん、さっきちゃんと自己紹介してたよ…?」
脳内をクエスチョンマークで埋めていれば、虎杖が気まずそうに意見してくれた。
葵夜「…………へっ…」
ダメだ。今日調子悪い。
葵夜「伊地知…伊地知…伊地知潔高…潔高ね…OK覚えとく…」
伊地知「あ、あの、お気になさらず……」
顔面蒼白にしこめかみを抑え必死に名前をぶつぶつと唱える。
本当は五条の2つ下の後輩で彼女とは何回か合ってるし、楽巌寺と面会した際「誰?」と聞かれ会話をしているので一般的には知り合いのはずだ。
しかしこの事実を伝えれば更に気を使わせると思った伊地知は、ぐっと本音を飲み込んだ。
葵夜「ごめんねぇ、せっかく教えてくれたのに…」
伊地知「いえ…」
十数年前と変わらない容姿に変わらない物腰、変わらなすぎて逆に本人なのか疑うレベルだ。
オロオロとする葵夜を安心させるように伊地知が微笑む。
伊地知「帳を下ろします。お気を付けて、」
一刻を争うこともあって切り替えて帳を張る事を伝えれば、彼らは素直に出陣の準備をしてくれた。
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時