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女の勘というものは、大抵の場合出し抜けないものだ。
最近までごく一般の男子高校生であったのなら尚更。
彼の態度は非常にわかりやすい。
釘崎「あなた、葵夜の事好きでしょ?」
呪いを祓い終え、廃ビルをの階段を降りると最中、任務前とは雰囲気が一変した虎杖に違和感の正体を聞けば、虎杖は随分想定外という顔でこちら見てきた。
虎杖「急にどうした?好きじゃねぇけど…」
釘崎「はぐらかさなくていいのよ、見てたらわかるわ。五条とか言うバカもそうね。伏黒は…まだちょっとよくわかんないけど…。とにかく、好きなら手伝いましょうか?」
別に入った所でこちらに得がある訳でもないが、なにも介入せず虎杖が奇行を犯し葵夜が傷付くのは見ていられない。
道を違える前に軌道修正ぐらいはしてやろうと思ったのだ。
しかし虎杖は顔を赤らめる事もせずただこちらを不思議そうに見つめる。
虎杖「は?まじで何言ってんの?」
釘崎「はぁ?……………………え、嘘でしょ」
こいつ気付いてない。
あんだけ車道側歩いといて?
持ってたポップコーンシェアしまくっといて?
────虎杖「葵夜っ!」
大切なものを扱うみたいな、
最も特別な存在かのような、
あんな目で葵夜を見ておいて?
釘崎「馬鹿じゃん!?!?!!?!?!」
下手したらコンクリートを突き抜けて外まで聞こえてしまう程の音量でシャウトしたのは仕方ない事だと思う。
まぁ
釘崎「(この態度だったら仕方ないか)」
話そうとしない。
干渉しようとしない。
仲良くなっても一定の距離を保ち続ける。
クラスの女子上位互換が無意識にやる男子との接し方だ。
これを葵夜が意図したものなのかは知らないが、普通の女子高生ではない彼女がこの手法をとった所で深まるの謎ばかり。
この虎杖は葵夜の事をあまり知らないんだろう。おそらく横にいるこの2人も。
故に、何よりも意識するのは彼女への興味、好奇心。
好意などの意識ははその後だ。
釘崎「(…こういうのって、頭が良くないと気付かないのよね、自分の好意に)」
こいつ頭悪そー…。
興味本位で寿司にわさびをどっさり乗せて食べ悶絶する虎杖を前に、釘崎はぼんやりとそんな事を考えた。
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時