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五条「つまり、死んだのは”伊吹葵夜“であって、”葵夜“じゃあない。悪かったね、説明不足で。」
虎杖「………なんだよ……俺、葵夜を殺すような奴に預けちまったのかと……」
余程恐ろしかったのか、顔を真っ青にして胸を撫で下ろす虎杖。
彼の先輩も同じような思いをしただろう。
少しでも彼らが自己嫌悪に陥らないよう、葵夜の死因は持病の悪化にしておいたのだが。
五条「まっさか。僕は葵夜を殺せる程彼女に強く想われてない。」
虎杖「?」
五条「さ、行こうか。」
『それでは、あとはこちらで対処しますので。』
伏黒「よろしくお願いします。」
ようやく判明した特級呪詛師”七竃“の所在。
虎杖の件での報告と共に伝えれば、血眼になって探していた関係者は案の定光の速さで回収しに来た。
五条の拒否も虚しく砕け散り、さっさと撤収した関係者が、先程東京に着いたようだ。
電話を受け取り、今後の保管要項と彼女が目覚めるまでは高専で一時的に封印をすることを伝えられた。
伏黒「(…葵夜か……)」
自分も呪術を習う上で、両面宿儺の次に危険人物として教わる人間。
七竃。
どのような術式、長期封印、武術も効かず、帳とは違う不思議な結界を貼り結界内にいる者を護るという。
宿儺が呪術界最強の矛だとするならば、七竃は最強の盾。
そんな死なない、死ねない身体で、彼女は1000年以上生きてきたのだ。
その”七竃“の本名と思わしきその名。
伏黒「葵夜……か…)」
昨夜の感触を思い出しながら、伏黒は頭を抱えてその名を復唱した。
五条「はっ…!!今恵がムッツリだ!!」
虎杖「え?何言ってんの?」
突然におかしな事を言い出す隣の男に、虎杖が驚く。
その手は祖父の遺骨が入った骨壷に置かれていた。
極めて不謹慎であり、不敬である。
虎杖が1人で遺骨を入れていく中、五条は後ろで穏やかに眺め、取り留めもない質問を繰り返していた。
五条「葵夜とはどういう関係だったんだい?」
虎杖「うーん…関係って言っても、ただの部活メイトだよ。部活以外で話した事無いし…」
五条「へぇ、部活中はどんな話を?」
虎杖「どんなって…普通に…ごめん、あんまよく覚えてないわ」
五条「ははっ、まぁそんなもんだよねぇ。」
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時