11:・ ページ12
,
虎杖「……う〜ん?……え、しゅく、…ん〜?」
葵夜「(なんだコイツ)」
4月。
周りの新入生は歓迎会で盛り上がる中、家庭科準備室の中は遮光カーテンにより薄暗く、どこから持ち出したのか数本の蝋燭によって室内を灯していた。
めでたくオカルト研究会に入部した1年2人は”オカルトの世界へようこそ“という弾幕の下、大量の本に囲まれる。
入部早々これはどういう状態なんだと疑問符が頭に浮かぶが、先輩曰く”オカルトと友達になって欲しい“らしい。
佐々木「とりあえずここら辺にある本読み漁ってみて!絶対ハマるから!面白いから!」
運動部で言う”ボールと友達になる日“なんだろう。
若干興奮気味の先輩に2人は更に首を傾げた。
虎杖「俺虎杖悠仁!同じクラスだよな!よろしく!」
葵夜「うん、私は伊吹葵夜、よろしく。」
「「(変な髪色…)」」
お互いの第一印象が決まった所で先輩に渡された本をそれぞれ読み始める。
30分経った辺りで冒頭に戻るのだが、
虎杖「しゅく?やど?は?こんな漢字見た事ないんだけど!!」
葵夜「(見かけ通りの五月蝿さだな、虎杖悠仁…)」
今までの30分、この男が何かコメントをせずに次のページをめくったのを見た事が無い。
別にギャップがあるとどうということも無いが、こうも想像通りいかれると逆に意表を突かれる。
葵夜は本に埋もれているのをいい事に先輩の目を盗んで寝ようと目を閉じた。
虎杖「亻に難…亻に難?!」
大方予想が着いてしまう。
虎杖ばかりが喋っているこの状況が哀れになってきた葵夜は、目を閉じたまま虎杖に話しかけてみた。
虎杖「う〜ん…」
葵夜「…何してんの?」
虎杖「妖怪漢字クイズ!やっぱ難しいの多いからわかんねぇや」
葵夜「ふーん」
また暫く沈黙が続く。
何故こんなことを聞かれたんだと首を傾げていると、葵夜は今日が初対面とは思えない程身を寄せ虎杖が読んでいた本を覗き込んだ。
虎杖「ぅおあっ」
彼だって男子高校生。
急に香る年頃の女子の匂いには当然顔が熱くなる。
しかし彼女はそんな事を気にも留めず”やっぱり“と呟きまた離れていった。
葵夜「両面宿儺、”しゅく“でも”やど“でもないよ。」
,
578人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時