検索窓
今日:2 hit、昨日:23 hit、合計:11,815 hit

第71話 信じていたい。 ページ24

椿は自分の両手を握り胸元へと持っていく。
不安の色が浮かぶその瞳を彼らの希望が浮かぶ瞳をみて
震える足を無視しながら話を続ける。

「これが運命だ。これが必然なんだ。
そう思い込むことで私はずっと。逃げてきただけなんだ
何が正しいのかわからない。この思いもまた思い込もうとしているだけなのかもしれないそう思うと怖いんだ…。」

椿はその瞳にたくさんの涙を溜めて
彼らを見る。
2人は椿の姿を目に焼き付けるかのように瞬きの一つも許さず椿を見つめる。

「言ってくれ‼︎私が…私が必要だと‼︎
私は2人の隣にいて良いのだと‼︎
私は…」

椿は叫ぶ長年の間隠して心の箱に閉じ込めてきた思いを
暗くどろどろとした自分を檻に閉じ込めて
さよならをして。
椿は前へと進もうとする。
その紫の瞳にたくさんの涙を抱えて
その胸にたくさんの想いを抱え
本心を…言う。
「私は…‼︎側にいたい…‼︎隣で笑っていたい…‼︎」

いい終わる前に笑ってのところら辺から
司は椿の元へより手を握る。
反対の手を夏目が握り
隠れることのできない涙を隠し
椿は伝える。

「必要だよ。椿姉さんが必要。側にいて。
もしまた逃げるなら今度は諦めず地の果てまでも追いかけるからネ」
「必要です。お姉さまが椿お姉さまが司の側にいて欲しいのです。他のものではダメなのです。
お姉さま、もう逃しません。また司の前から消えようとするなら司はお姉さまを閉じ込めてしまいますよ…?」
それほど…大切で大好きなのです。

椿は2人の言葉を思いを聞き
これが嘘でも良い。どんなものでも心地が良い。
そう感じていた。
嘘でなく本心ということは彼らを見ればわかる。

「私は結構執念深いぞ?
一度決めたことは覆さない。そう決めて生きてきた。
__離れろと言っても離れることはもうできなくなってしまう_「なら、離れないでください。」司…」
ふわりと微笑み司はぎゅっと椿の手を握る
「もう離しません」
そう誓い。椿の手の甲にキスを落とす。
「もう、逃がさないから逃げないで」
そう願い。椿の涙を救う。

(誰かに…涙を救ってもらったことは
初めてだ。)

今まで誰も救うことができなかった椿の涙を
彼らは救った。涙だけでなく椿自身のことも…

「側にいよう。この人生を終えるまで
みんなの側で歩んでいく。」

風が吹き。古き花は風に流されて
新たなつぼみは姿を現した。

もう離れない。離さない。
この思いがいつまで続くかわからない。でも
今この瞬間は彼らを信じていたい。

第72話 邪魔はさせない→←第7章 大好きだ。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

aj - 色んな場面で泣きました。凄く面白かったです更新楽しみにいてます。 (2023年4月2日 16時) (レス) @page29 id: 52fb1e9a16 (このIDを非表示/違反報告)
ハムム(プロフ) - にゃーちゃんさん» そう言っていただき嬉しいです‼︎更新もこれから頑張っていくので楽しみに待っていてくださいね‼︎ (2022年8月12日 7時) (レス) id: f8432527a9 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - とても面白いです!!もう、感動して思わず泣いちゃいましたw更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年8月12日 6時) (レス) @page25 id: e862c91e4d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ハムム | 作者ホームページ:ハムム  
作成日時:2022年7月26日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。