第7章 大好きだ。 ページ23
デコを合わせた司は椿の左手を自分の両手で掴み
握りしめて彼女の心の隅々まで届くように言う。
「お姉さま。その質問はする必要もありません。
なぜなら隣に立つのに資格なんてものはいらないのです。」
幼い子供に言い聞かせるように
司は言葉を続ける。
「お姉さま。愛しいお姉さま。
司の願いを聞いてくださいまし。司はあなたと共にいたいのです。辛さを幸せも分かち合いたいのです。
悲しみも喜びもお姉さまと感じていきたいのです。
司にはお姉さまが椿お姉さまがいなければダメなのです。」
つかさ…。弟の名前を口にすれば司は微笑み
夏目は自分の思いを椿に伝える。
「僕も、同じだよ」
そう言って、司と同じようにｺﾂﾝと額を合わせて
椿の心の奥底まで届くように話す。
椿の右手を自身の両手で包み込み
彼もまたその瞳を瞑る。
「姉さん。僕の大好きな姉さん。
僕はね、姉さんに恨まれたかったんだ。」
そういうと夏目は閉じていた瞳をうっすら開けて椿の瞳を見る。
椿は「なつ…め？」と訳がわからないと言うように動揺していた。
夏目はスッと目線を椿の足に向けてまた瞳を瞑る。
「あの日の事ずっと後悔してた。もちろん今も
謝ろうにもなにかしようにも隣に姉さんはいなくて
姉さんが僕を恨んでくれたらどれだけ楽だろって」
苦しそうに肩を震わせそれを隠そうとしながら
夏目は長いようで短い言葉を続けた。
椿は握られている手をぎゅっと握り返して
「恨まないよ。だってぼ＿っ！」
僕は。そう言葉を続けようとした。
自分が悪いとまた暗示のように言おうとした椿の行動を読んでか夏目は指を立てて椿の口元に当てて
しー、と椿の口を閉じさせる。
「姉さん。椿姉さん
約束して。もう急にいなくならないって
僕の前から消えないって。僕の為を思って目の前から消えるぐらいなら…僕が不幸にならないようにって思うなら
どうか、側に。隣にいて欲しい。」
震えた声。いつもの彼からは考えられない
演技なんかでもない心の声。
閉じていた瞳を開けて彼は昔の椿の姿を思い出し
「姉さんがそばにいないことが
僕にとっては何よりも不幸な出来事なんだよ」
そう言ってからもまた涙を流す。
「なつめ…つかさ…大好きだ。」
椿もまた言葉を思いを紡ぐ。
2人はそんな椿を近い距離から一歩離れて話を聞く。
「不幸になってほしくない。怪我をしてほしくない
私といることで不幸になるのなら離れる。
それが運命。それが最善。ずっとそう思って…ううん
そう思いたかった。」
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aj - 色んな場面で泣きました。凄く面白かったです更新楽しみにいてます。 (2023年4月2日 16時) (
レス) @page29 id: 52fb1e9a16 (このIDを非表示/違反報告)
ﾊﾑﾑ(プロフ) - にゃーちゃんさん» そう言っていただき嬉しいです‼︎更新もこれから頑張っていくので楽しみに待っていてくださいね‼︎ (2022年8月12日 7時) (レス) id: f8432527a9 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - とても面白いです!!もう、感動して思わず泣いちゃいましたw更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2022年8月12日 6時) (レス) @page25 id: e862c91e4d (このIDを非表示/違反報告)
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