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「… 確かに、それはそうやな。笑
じゃ、どっか明るくなるような場所。
後で行こうや。笑」
私の右手をサッと握って。
バーガンディ色のトレーナのポケットに、その手を仕舞った。
温かくて、心地が良くて。
それだけで、昨日から抱えてたストレスが和らいでいる気がする。
「あ、せや。隣の駅に美味しいプリンのあるカフェが「行くッ!!」
「あははッ じゃあ、決まりやな。」
「廉、ありがとう…ッ」
なんて、意味あり気に言ったら。
何かに気づいてしまうだろうか。
…でもきっと、サムの事だ。
もう何かに勘付いているんだろう。
「んー?何が?笑」
「寂しい秋に寄り添ってくれて。笑」
「Aとなら、冬でも春でも夏でも。
いつだって寄り添うつもりやで?笑」
またサムいこと言ってるし。
「どこでそんな言葉覚えるんですか、チャラ瀬廉先生?笑」
「えっ、全部俺から出てきちゃうもんけど。笑」
「しんど、笑」
「しんどってなんやねん!!笑」
… ねえ、これって。
私は、何も悪くないよね。
仕方がないことだよね。
サラだけには嘘をつかないで、説明しなくちゃならないけれど。
それは、バレてしまったから。
でも、もしサムが知らないなら。
どうか知らないままでいて欲しいの。
… それって、ズルいことなのかな。
.
講義が終わって、今はサムの隣で電車に揺られている。
相変わらず周りの人からの視線が多くて、変な気持ちになる。
「なあ、俺がハット被ってた理由わかる?」
「え、ナルシストだからじゃないの?」
「なあ、さすがに酷いで。笑」と私に人差し指を向けて笑うと、「人の目線気にしなくなるから。」と付け足した。
「え、そうだったの?」
「電車とかではなるべく深く被って顔見えへんようにーって。笑」
…顔に寄ってくる虫よけみたいって思ってしまった私は、やっぱり性格が悪いんだろうなあと感じてしまう。
「…ッちゃんと被ってる理由があるなら外さなくていいのに。」
なんだか、申し訳ない気持ちになる。
「ううん、今はこれが気持ちええから。笑」
「え?」
「下向かないで歩くのってええなって、素直に思ったし。
何より、俺らお似合いやろ〜って歩くのがめっちゃ好きやねん。笑」
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*咲七波*(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます!前から見てくださっているなんて嬉しいですー!しかも勿体ないお言葉頂けて恐れ多いです…!涙 ぜひぜひ読み返してください!他の作品にもコメント待ってます!笑 (2018年12月8日 17時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みるく - はじめまして!前から見させてもらってます!なのにコメしなくて申し訳ないです… もう号泣しまくりですよ!もう作者様大好きになりました!!この文章力、小説書いて売った方がいいです!読み返しますし、他の作品も見たいと思います!長い駄文失礼しました!! (2018年12月8日 11時) (レス) id: 58c3937f81 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - *咲七波*さん» なんか、見てたら知らん間に泣いてた〜。恋愛小説もたまにはいいねー (2018年11月20日 17時) (レス) id: c1ea85b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - らいみぃさん» コメントありがとうございます!泣いてくださったんですか!?嬉しいです… 平野くんを必死に堕とそうとする話を絶賛更新中なのでぜひそちらも!笑 (2018年11月5日 14時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
らいみぃ - このお話が大好きです!もう、泣きました。ほんと作者様ありがとうございます、お疲れ様でした。これからも別のシリーズ頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 657c2ba17c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年10月14日 23時