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家を出ても頭の中にあるのはサルの事だけで。
考えたところで何も解決しないのに、私の小さい脳は。
…本当に役立たずだ。
「おはよ、A。」
改札を出て、大通りを歩いていたら。
いつの間にか、隣からいつもの香水の匂いがした。
「…廉！」
サムの手のひらが私の頭に優しく触れる。
なんだか、久しぶりに感じてしまうのは。
きっと、サルとの1日があまりにも長く感じたからだろう。
「なんか疲れた顔しとるなー？ニコチン足りてる？笑」
「うん、昨日紫耀にも貰ったから。笑」
「…ふーん、」
なんだか、嫉妬しているサムが最近可愛く思えてきて。
だって、いつも余裕な顔してたサムがだよ？
なんで紫耀なの？って顔で私を見つめてくるのは結構愛嬌があって。笑
クセになる。
「でも、メッセージ書いてくれるのは廉だけだから。
嬉しいよ？笑」
「… いつからそんな素直になったん？」
なんか、最近サムもサラもそればっかり。
自然に素直になり始めてるんだからさ。
もっと、褒めてくれたっていいのに。笑
「元々素直だけど？」
「嘘つけーッ！！笑」
サムと笑い合いながら歩く道は、楽しいのに。
それでも、心はズキズキと疼く。
サルが家にいること、相談したい気持ちもあるのに。
何て言われるか、なんて思われるか。
優しいサムだからこそ、怖くて聞けなくなる。
幻滅だけは、されたくない。
バレなければ、いいのかな。
でも、それも違う気がするのは。
彼らを騙しているような気持ちになってしまうのは、何なんだろうか。
この気持ちに名前があれば、随分と楽になるのに。
「… 悲しい顔、初めて見た。」
「え…ッ？」
「Aちゃんはいつも嫌な顔か全力で怒ってるか、元気に笑ってるから。
…そんな悲しそうな顔、初めて見た気がしてさ。」
心配そうに私の顔を覗いてくれるサムに、胸の内を知って欲しくなる。
でも、そんなことしたら…って。
自分を守ろうとする自分も、譲ってくれない。
「秋だからかなー、精神的に何か無条件に切なくならない？笑」
なんて適当なことを言って、道端に植わっている木の葉っぱを見上げてみた。
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*咲七波*(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！前から見てくださっているなんて嬉しいですー！しかも勿体ないお言葉頂けて恐れ多いです…！涙 ぜひぜひ読み返してください！他の作品にもコメント待ってます！笑 (2018年12月8日 17時) (
レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みるく - はじめまして！前から見させてもらってます！なのにコメしなくて申し訳ないです… もう号泣しまくりですよ！もう作者様大好きになりました！！この文章力、小説書いて売った方がいいです！読み返しますし、他の作品も見たいと思います！長い駄文失礼しました！！ (2018年12月8日 11時) (レス) id: 58c3937f81 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - *咲七波*さん» なんか、見てたら知らん間に泣いてた〜。恋愛小説もたまにはいいねー (2018年11月20日 17時) (レス) id: c1ea85b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - らいみぃさん» コメントありがとうございます！泣いてくださったんですか！？嬉しいです… 平野くんを必死に堕とそうとする話を絶賛更新中なのでぜひそちらも！笑 (2018年11月5日 14時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
らいみぃ - このお話が大好きです！もう、泣きました。ほんと作者様ありがとうございます、お疲れ様でした。これからも別のシリーズ頑張ってください！ (2018年11月4日 22時) (レス) id: 657c2ba17c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2018年10月14日 23時
