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集中して描き続けていたら、お腹から大きな音が鳴る。
そういえば、昨日の夜から何も食べてない。
流石に何か作るか、それともちょっと外に出て食べに行くか。
椅子から腰を上げて動き出した時、インターホンが鳴った。

「はーい…ッ、」

「帰ってきちゃった、」

お茶目な顔をして扉の前にいたのは平野くん。
こんなに一緒にいて良いのかって思うくせに、まだ一緒に居られるってワクワクする。

「ご飯も買って来たよ、一緒に食べよ?」

その一言に、涙が出そうになった。
本当に私のことを考えてくれている人がいるって思うから。

「…嬉しい、」

「えっ、ちょっと?!泣きそうになってない!?」

「ちょうど、ご飯どうしようかなって思ってたから…!」

「そっかそっか、ラッキーだね!俺も、Aちゃんも。」

優しくにっこりと笑って、私の頭を撫でてくれる。
今まできっと私は独りでも大丈夫だからって強がってたんだ。
だから、強がろうとした時にこんなことをされたら。
私は今まで何と戦ってたんだろうって、目頭が熱くなる。

「…おかえり、平野くん。」

心の底からそう思う。

「お帰りのハグは?」

「ハグ…?」

唐突なその単語に身動きが取れないでいると、平野くんの大きくて逞しい胸板が私の視界を埋め尽くしていた。
ギュッと引き寄せられた私の貧相な身体が、平野くんの体温でゆっくりと温まっていくのが分かる。

「…仕事終わりだから汗臭いかも、ごめん。笑」

「ううん、全然…」

「そ?」

全然、いい香りだ。

「お帰りのハグ、結構いいでしょ?」

「うん、いいね。」

「あははっ、ご飯食べようか!」

「うん…!」

平野くんが買ってきてくれたのは、私なんかじゃ行けないお高い日本食屋さんの天丼で。
仕事終わりに貰って来たとか言うから、一体全体どんなお仕事をしてるのか。
気になるけど聞かないのは、特別な理由なんかないけれど。
平野くんのリアルな部分に触れるのが、まだ少し後ろめたい気がしたんだ。

「「いただきます。」」

仕事仲間以外の人と、ましてや男性と。
食事をするだなんて、片手で数えられるくらいしかない。
でも緊張なんてものは無くて、美味しくて、癒されて、堪らない空間だった。


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Anzu1134(プロフ) - 更新とても楽しみにしています!  頑張ってください! なるべく早めに更新してくれるとありがたいです。 (9月30日 1時) (レス) id: 68bfd8b6e0 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - あちゅぴさん» コメントありがとうございます!これからも読んでくださると嬉しいです〜! (9月14日 11時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あちゅぴ(プロフ) - このお話とても面白いです!!続きも楽しみにしていますね! (9月13日 18時) (レス) id: 9024cefd53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*咲七波* | 作成日時:2019年8月23日 10時

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