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名残惜しくも店内から出て、夢の世界はこれでおしまい。
ああー、本当に毎日あんなところで暮らせればいいのになあなんて。
「本当に美味しかったねー!お値段はそれ相応なんだろうけど!」
満足げにニコニコしている神くんの横顔に話しかける。
「もう本ッ当にAちゃんと行けて良かった!!
これからもスイーツ食べるならAちゃんとがいいなあ…!」
横目で私を見る表情が、余りにも小悪魔的で。
またドキリとしてしまう。
「お、大げさだってばー!笑」
「大げさに何か言ってないよ?」
至って真剣な顔で距離を詰めてくるから。
咄嗟に話題を変えた。
「っていうか、さっき先に払ってくれてたよね?
私の分払わなくちゃ!いくらだった?」
焦ってお財布をカバンから出そうとしたのに。
その手は神くんの細くて長い手に阻まれてしまう。
「へっ、」
「払わなくていいよ、一緒に来てくれただけで十分だもん。」
「え、いや。でも私も食べたし、奢ってもらうのは違うっていうか…!」
申し訳なくて断りたいのに。
断れば断る程、神くんの表情が曇っていく。
え!?なんでよ…!!
そんな切ない顔されても!?
「俺が、Aちゃんに払って欲しくないの!
深い意味はないよ、ただ俺が払ってあげたいって思ってるだけ。」
「いやいやいや、でも「それでも断るなら!」
「うわあっ!?」
さっき握られた手を神くんがそちら側に引っ張る。
私の身体は図らずも神くんに引き寄せられて。
神くんの綺麗な顔が、もう目の前。
「… 俺、もっとわがままになっちゃうかも。」
神くんの両目に昼下がりの眩しい陽の光が反射して。
その目をうるうるさせている。
わがままって、何?
そんな瞳で、私を誘惑しないで。
曖昧な言葉が、変に私の好奇心を刺激するんだ。
「わ、分かった…!ありがとう、ご馳走になります…!!」
息を呑むほどに美しい彼の顔の造形に見とれて。
流れ出るようにその言葉を発してしまう。
…ヤバい、神くん。
なんか、今までと全然違うよ。
「そ。それでいいんだよ、ありがとう。」
ぽんぽんっと優しく私の頭を撫でる。
あれ、なんかおかしい。
これって本当に男友達?
距離感が近いのは、男友達だからこそ?
「それに、Aちゃんって確かバイトしてないでしょ?」
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*咲七波*(プロフ) - あやぴさん» コメントありがとうございます!更新待っていてくださってたんですね!?嬉しいです。涙 パート2も楽しんでください!またコメントお待ちしてます! (2019年5月19日 0時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - これさ、とりあえずリリコちゃんと付き合いたくなるよね笑 私の気持ちわかってくれ過ぎて惚れちゃう笑 そして神くんついに本性出して来たな笑 この神くんのキャラ、昔しつこかった年下の男に似てて辛い笑 最初はいい子だったのに仲良くなったら急にSになったとゆう苦笑 (2019年5月15日 14時) (レス) id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
あやぴ(プロフ) - ずっと更新待っていたので最近また更新してくださり嬉しいです♪移行後も頑張ってください♪楽しみに読ませて頂きます! (2019年5月15日 2時) (レス) id: 159dcadd4e (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - お久しぶりですー!コメントありがとうございます!!更新やっっっとしました!お待たせしてしまって申し訳ない!笑 あきらめの悪いサラちゃん中々にいいですよね、私も好きです。笑 これからもよろしくお願いします! (2019年5月9日 21時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ひかるさん» そろそろ本腰入れて完結しなければならないので頑張ってます!笑 さすがに分かれる設定はないですね、ごめんなさい!笑笑 サラの直感は凄いのでね、主人公を導く大切な人物です。 神くんはとりあえず無いなあ、、もしかしたらこのあと出来るかも……??笑 (2019年5月9日 20時) (レス) id: 9064239303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2019年1月21日 18時