『02』 - Memory ページ11
_
(誰かの息を呑む音
が、谺する部屋で
感じる事は)
_
「…よっ、宜しくお願い、します……」
目の前、包帯だらけの男の人は
"太宰治"…さん、
と云うらしい。
「……何で、執拗以上に怖がるの…?僕、君に」
───何も、していないよねぇ?
「…え…っ…?」
執拗以上に、怖がってる?
誰が?何の為に?
「…太宰君、」
太宰…さんは、白衣の人を何と呼んでいただろうか。
「…何、」
考えて見る。
私はそんなに彼を畏怖…の対象で見ていたか、を。
「…軽はずみにその様な事を云ってはいけないよ」
耳打ちをしているらしかった。
『かった』と云うのは、私には全くと言って良い程、聴こえなかったからである。(聴こえていたかも知れないが)
「…はぁ……ん、判った。森さんが云うなら、我慢…じゃなくて云わない事にするよ…」
再び、面倒臭そうな溜め息を溢した後。
彼の行動その物に、…眼前に広がる光景に。
目を見張る事になる。
「……御免、
言葉が悪かったみたいで。
もう先刻みたいな言動はしないと誓う。
から、」
──そんなに怖がらないでくれるかい…?
「っ……?!?!」
何故、____。
私は。
彼───…、基、太宰治さん、に。
『抱き締められている』
…のだろう。
そして、何故その近くで連写音が聴こえる?
理由は否。白衣の男の人が、写真を撮っているからであった。
「良いねぇ〜…!
凄く素敵…いや、可愛らしいよ…!
あっ、笑って笑って〜!そう!その侭、その侭…───」
何度も同じ姿勢のを撮影される。
「っ……」
流石に暑い、し…恥ずかしい。
ずっと此の侭の姿勢で居なければ為らないのだろうか。
それだけは勘弁して欲しいと願う。
「……」
赤面…恥ずかしい思いをしているのは私だけかと思った。
が、そうでも無かったみたいだ。
「……っ、何枚。
撮れば気が済む訳…森さん、」
──そろそろ、暑いし…何かもう……
「…彼女が、可哀想になってくるのだけれ
ど…」
そう。彼も私と同じ様に、顔が紅くなっていたのだ。
ついじっと見てしまう。
「…なっ、何…?」
怖い人かと思った。
でも、此の数時間で実感する事が出来た。
「…太宰さんって、優しい…ですね……」
出来たから、伝えよう。と思った。
この後、彼がもっと紅くなったのは云うまででも無い。
_
(記憶に残る思ひ出
忘れぬ様にそっと、
納めていやう。)
_
【或る男の独白】
…誰でも良いから、状況を覆してくれ。
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - 曇天に笑うさん» 申し訳御座いません。(そう云って貰えて本望です。ですが過去篇が終了次第、再開するので待って居て下さると幸いです。感想有り難う御座いました) (2019年8月13日 16時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - せっかく更新するのを楽しみにしてたのですが (2019年8月13日 16時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - 華恋さん» 感想、有り難う御座います(そう云って頂けて本望で御座います。此れからも楽しんで頂ける様、精進致します。更新遅いですが如何かお付き合い頂けると幸いです。) (2019年8月7日 0時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - えっと、、、控えめに言ってマジで好みです・・!!更新頑張ってください!無理はなさらずに! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 8414810f45 (このIDを非表示/違反報告)
七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - Aster.さん» 大丈夫ですよ(いえいえ。此方こそ遅れてしまって申し訳有りません。悔しい…だ何て…。嬉しいです。優しい気遣い、有り難う御座います。本当に。私のペースで頑張りますね。…狙って遣って下さいませ〜。待ってますので) (2019年8月3日 20時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七海@返事・更新滞ります | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nanamikinn1/
作成日時:2019年7月31日 10時