＊「バイバイ、と言って消えてみたら…」 ページ28
『ｯ…！バイバイ____』
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
中島敦
「そんなｯ…！」
そう云って彼は膝から崩れ落ちます。
「僕はｯ…あの時！」
彼は貴女の様子が可笑しい事は薄々ですが、気付いていました。
貴女が無理して笑っているところを特に気にする様子もなく見ていた彼。
貴女が消えてしまった事により、彼は貴女が居なくなったのは、自分の所謂だ…！
と頭を垂れます。
「Aちゃん…ごめん…ごめんねっ…」
彼は一生、自分を責め続けるでしょう。
そして泣き終えた後に、
「ｯ…僕がいけなかったのかな…」
と呟き、今の今まで隣に居た貴女の事を思い出し、また涙を流したのでした。
太宰治
「…ｯ！何…でｯ…」
彼は貴女に喜んで貰おうと買い物に出掛けていました。
ﾄﾞｻﾘｯ…
彼は驚きのあまり、買ってきた紙袋を床に落とします。
「っ…最…期に会ってくれたって良かったじゃないかｯ…」
彼はそう云って貴女が居たであろう、ベッドに力なく腰を下ろし、そっと寝転がります。
「…っA…」
掠れた声で貴女の名を呼びます。
「…君に似合う贈り物を選んできたのだよ…」
そう彼は、貴女に喜んで貰おうと綺麗な花束を買いに行っていたのです。
「けど…」
_____君が居ないのなら、意味がないのだよ…。
そう、全ては貴女の為に彼が何十分も悩み買ったのでした。
「…私も君と共に逝きたかったのだよ」
日頃から彼は貴女に、伝えていました。
“最期を迎えるのであれば君とが良い”と___。
国木田独歩
「ｯ____行くなｯ！」
彼は道端を走ります。
貴女が遠くに行ってしまいそうな気がしたからでした。
「っ…別れを告げるなど、俺の手帳には書かれていないぞｯ…」
彼が追い付いた時には、もう貴女の姿はありません。
唯、残っている物があるとすれば、彼との幸福な思い出でしょう。
「…馬鹿野郎。」
彼は一言。
それだけを告げると、貴女が居た場所をじっと見つめるのでした。
江戸川乱歩
「…嫌だ」
彼は涙を流し乍、貴女の書いた日記を読みます。
「何で…救えなかったんだよ」
そこまで呟くと、翡翠色をした瞳からツ─…と涙が溢れました。
「ゴメン…A…」
彼は最後に会った貴女の姿を思い出し乍、また涙を溢しました。
福沢諭吉
「…何故だ」
彼は貴女が消えてしまったのには、自分が関係しているのでは？と思い、考え込みます。
＊「バイバイ、と言って消えてみたら…2」→←＊「いままでありがとう。と言って消えてみたら…2」
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七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - 黒バイさん» 有り難う御座います。そう言って頂けて何よりです。リクエスト有り難う御座いました。 (2018年11月26日 7時) (
レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - マイさん» 楽しんで頂けたのなら良かったです。応援有り難う御座います。 (2018年11月26日 7時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - 有難う御座いました。自分からリクエスをしたにも関わらず傷ついた文豪たちを見て心が痛くなりました。これからも応援しています。 (2018年11月26日 6時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - リクありがとうございました！！スゴく良かったです！！これからも頑張ってください！！ (2018年11月26日 0時) (レス) id: 503aa2dbd1 (このIDを非表示/違反報告)
七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - ノンさん» 有り難う御座います…！多分、今日中には続編に行ける筈…なので、その時またリクエストがありましたらどうぞ遠慮なくして下さいませ (2018年11月25日 18時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七海@月と星−−君と幸福な世界 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nanamikinn3/
作成日時：2018年8月23日 9時
