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「なんでっ!?うそっ!どーして!?
ちょっと!息、してない!!」




姫ぎみを抱えあげた知念は真っ青です




「いのちゃん!?
いのちゃん!ウソでしょ!?」





叫びながら胸の膨らみに耳をあててみても
鼓動は伝わってきません

薔薇色の頬も艶やかな唇も
なに一つ変わっていないのに
姫は息をしていませんでした





「なん…なんだよこれっ!
今朝あんなに元気だったのに
帰って来たら死んでるとかありー!?」




パニックにおちいっていた知念でしたが
やがてあるものに目をとめます




「リンゴ…?」




白雪姫の足元近くに転がるリンゴには
かわいらしい歯形がついています

それが何を意味するのか
知念にはすぐにわかりました




「ドアは開けなかった…
でも、誰かに会ったんだね…」





果物はとても高価です

知念は質素倹約を旨としていましたので
この家にそんなものはありません


ですからこれは
外から他人が持ち込んだもの





「窓も開けたらダメだって…
教えておかなくちゃいけなかったんだ…」





周囲の人々から愛されて
他人を疑うことなど
一度たりともしたことのなかった
優しい優しい白雪姫

この小さな少女を守るためには
ありとあらゆる可能性を
考えなければいけなかったのでした




「ごめんね…いのちゃん…
僕、わかってたのに…」





知念はとても優秀な情報屋でした

ですから圭人から姫ぎみを預かったあと
お城のことを調べていたのです





「涼介が来るかも…って…
ほとんどゼロに近い可能性だけど
あの人がここに来るかもしれない…って…」




手を尽くして調べた結果
お妃さまの憎しみが消えていないことを
知念は知っていました

それでも
ここが知られることはないだろうと
わずかな油断があったのです





「ごめん…ごめんね…
いのちゃん…圭人……ごめんなさい…」





約束したのに…

守ってあげれなくて…ごめんなさい…





何度も何度も謝りながら
知念は大粒の涙を流し続けたのでした





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ぐるぐる(プロフ) - はぁぁぁ…山田くん幸せになれてよかった!大貴と一緒ならこれから先幸せに暮らせますよね??残されて王様が心配です…続きにハラハラドキドキがたまりません! (2019年10月8日 7時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - tomo0614qpさん» うんうんうん、ひかいのはお似合いなのです!夢と希望とロマンと萌えがたっぷり!いーよねぇ、ひかいの…ハッ!うっとりしすぎた…すいません!次もよろしくです! (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - けーままさん» へっへー、かわいいカップルですよねー♪ひかいの大好きなので、二人には速くイチャイチャしてほしいです。つぎは4章、よろしくー! (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - みるみるみるきーさん» 最近ゆといの推しのひと、多いねぇ。でもあたしはひかいのなのさっ。時代に逆らってでも推しカプを書くぞ!(笑) (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» 予想当たりましたかー!よかったです♪そして第4章が出来上がりましたので、お時間ある時見にきてくださいね。よろしくー! (2019年9月23日 8時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/  
作成日時:2016年10月15日 6時

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