検索窓
今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:178,660 hit

03 ページ29






「事が起これば
王さまは血眼になって犯人を探す。」



それは想像するまでもないことです

白雪姫を心から愛する王さまは
国をあげてそれをするでしょう




「僕が疑われることすら
キミにとっては危険なんだ。
だから僕は生きていてはいけない。」


「圭人…」


「死んだ人間には何もできない。
それを
誰の目にも明らかにするための事故だ。」


「でも…それじゃ…」


「うん。僕はこの国には戻れない。
だから二度とキミには会えなくなる。」






圭人がいなくなる…

物心ついたときから側にいた
兄とも弟とも慕う、この人が…?




カチカチと歯を鳴らすお妃さまを
圭人はそっと抱きしめました




「疑いを晴らすより
疑われない方がずっと簡単なんだよ。
だから明日は、必ず泣いてね…」




それは別れの言葉でした

お妃さまの願いを叶えるために
圭人はこれまでの人生を捨てるのです




「そしてもぉひとつ。」




優しく包むようだった腕に
強い力がこもります

それを感じ取って顔を上げると
見つめる瞳は真っ赤に染まっていました





「僕に思い出をください。」


「え…?圭人…?」




泣き出しそうな瞳に戸惑ったお妃さまに
もうひとつの衝撃が訪れます




「キミと共に
過ごせるはずだった未来の替わりに…」




圭人の指先が
なめらかな頬をかすめるように動きます




「キミの一夜を…
僕だけの夜に、して欲しいんだ…」



「圭人…!?」




頬をかすめた指先が
お妃さまの美しい髪に絡み付いて…





「愛してる。
だから、許してください…」




言葉のあとに訪れたのは
激しい口付けでした





溢れ出した想い 01 →←02



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (404 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
536人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

けぇしゅ(プロフ) - あの、すごくびっくりしたのですが、らなさんがこの作品を書かれたのって2019年ですよね、、、作品名が、「snow white」って、最近出たJUMPさんの曲じゃないですか、え、凄すぎません?めちゃくちゃ驚きました、、(すみませんこんな感想で、、) (2021年3月27日 18時) (レス) id: 924f7d7e02 (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - 白雪いのちゃん、久しぶりに読めて嬉しいです。もうなんて言うか、本当にかわゆい。にやけちゃう…後半から山田くんが切ない。圭人くんが辛い…感情が大忙しですが続きも楽しみです!早速読ませていただきます! (2019年9月30日 18時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 更新されてたのを発見して第1章から読み始めました!とても面白いです!色んな人の心情がどんな展開で進むのかとても気になります!いのちゃん、山田くんが女の子設定でもすんなり読めるのはらなさんの書き方が上手なんだろうなぁと思います!第2章読みに行きます! (2019年9月18日 7時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» 毎度感想ありがとうございます。泣いちゃうぐらい感情移入してもらえるなんてうれしいです。長らく放置してましたが、今度は完結目指して頑張りますね。 (2019年9月15日 10時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 夢中になって一気に読んでしまいました…。続きが気になる!と、どんどん読んで入り込んで泣いてしまいました。圭人君のこと思うと凄く辛いです…。再開してくれてありがとうございます!m(_ _)m (2019年9月15日 7時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/  
作成日時:2016年9月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。