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「さぁ、今夜は何を見たい?
僕の小さなお姫さまは何を知りたいかな?」




ひとしきり楽しそうに笑ってから
青年は鏡の中で
お妃さまに向かって手をのばします




「キミが大好きな虹を映そうか。
それとも今夜は
誰も見たことのない海の中を見てみる?」




青年の住む鏡は魔法の鏡

彼の見たものは全て
この鏡に写し出すことができます




「それともキミの疑問に答えるかい?
どんな秘密でも、僕は答えられるよ。」




千年を生きた青年は
地上の全てを知っています

彼に答えられないことは
何一つありませんでした




「うんとね…えっと…」




自信満々に微笑む青年に
お妃さまはもじもじとつぶやきました




「虹も海の中も見たいんだけど…
あの…いのちゃんの…お部屋を…」




頬を赤らめるお妃さまに
青年はにんまりして見せます




「またぁ?
このところ涼介はあればっかりだね。」




からかうような声音は
もちろんわざとです

大人になりかけのお妃さまが
『そのこと』に興味津々なのを
青年は見抜いているのですから




「だっ、だって!
いのちゃんすごく気持ち良さそうで
あれ見るとどきどきするんだもんっ!」


「はいはい。怒らないでよ。
別に悪いなんて言ってないでしょ?」




鏡の中の青年の姿が揺らぎ
瞬く間にお隣の寝室が映ります

それを食い入るように見つめ
吐息を漏らすお妃さまを見つめながら
青年はこっそり指を折りました




もぉ、五年になるのか…




王さまとお妃さま

この二人が巡りあったのは
お妃さまのお生まれになった国で開かれた
パーティーの席でございました





五年前の出来事 01→←お妃さまのヒミツの小部屋 01



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けぇしゅ(プロフ) - あの、すごくびっくりしたのですが、らなさんがこの作品を書かれたのって2019年ですよね、、、作品名が、「snow white」って、最近出たJUMPさんの曲じゃないですか、え、凄すぎません?めちゃくちゃ驚きました、、(すみませんこんな感想で、、) (2021年3月27日 18時) (レス) id: 924f7d7e02 (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - 白雪いのちゃん、久しぶりに読めて嬉しいです。もうなんて言うか、本当にかわゆい。にやけちゃう…後半から山田くんが切ない。圭人くんが辛い…感情が大忙しですが続きも楽しみです!早速読ませていただきます! (2019年9月30日 18時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 更新されてたのを発見して第1章から読み始めました!とても面白いです!色んな人の心情がどんな展開で進むのかとても気になります!いのちゃん、山田くんが女の子設定でもすんなり読めるのはらなさんの書き方が上手なんだろうなぁと思います!第2章読みに行きます! (2019年9月18日 7時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» 毎度感想ありがとうございます。泣いちゃうぐらい感情移入してもらえるなんてうれしいです。長らく放置してましたが、今度は完結目指して頑張りますね。 (2019年9月15日 10時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 夢中になって一気に読んでしまいました…。続きが気になる!と、どんどん読んで入り込んで泣いてしまいました。圭人君のこと思うと凄く辛いです…。再開してくれてありがとうございます!m(_ _)m (2019年9月15日 7時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/  
作成日時:2016年9月9日 14時

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