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「とおさまっ！」
扉の向こうに立つ人影が
待ち焦がれたその人だとわかったとたん
白雪姫は駆け出しました
「とおさまっ！
会いたかった！」
淡いピンクのドレスの裾は
ふわり柔らかく広がり
まるで妖精の羽のよう
蝶のように羽ばたいた姫を
王さまは優しく抱きとめます
「こぉら、お転婆娘。
十六にもなって甘えんじゃねぇ。」
「だって会いたかったんだもん！
とおさま大好き！」
聞こえた声と
抱きしめた柔らかな身体に
王さまの口元が緩みます
かつて毎日のように聞いてきた言葉と
毎日のように抱きしめていたぬくもり
失われたかと思われたそれが
確かにいま腕の中にあることが
幸せでなりません
「俺も大好きだぞ、白雪。
ほら久しぶりに会えたんだから
かわいー顔拝ませろ。」
「んっ、ふふふっ。
とおさまくすぐったぁい！」
いっちゃいちゃです
喉をくすぐるように撫でられて
肩をすくめた姫の耳たぶに
王さまの唇か触れたりしちゃってます
“えーと…あれ、親子だよな…”
“そのはずだけど…？”
“あっ！ちょっ！いのちゃんっ？
おれいがいのおとことちゅーとか！”
高木くん、裕翔くんは
どう見ても恋人同士にしか見えない二人に
びっくり仰天ですし
王子はアセアセです
そのくらい
姫と王さまはラブラブでした
「くすぐったいだけかぁ？
素直に気持ちいいって…」
言えよ、と言いかけて
ギリギリのところで
王さまは理性を取り戻しました
あっぶね…
久しぶりに顔見たもんで
なんかぶっ飛んでたぜ…
「……コホン。
ところで白雪、アイツを紹介してくれよ。」
「アイツ？」
「ほら、そこでなんか暴れてるヤツ。
あれがお前の“ひかる”なんだろ？」
「あ、うんっ！」
ひかるぅ！
と声を上げて駆け出した姫の後ろ姿を
王さまは複雑な思いで眺めます
あれはもうあの男のものなんだ
伊野尾が愛したのなら認めてやろう
そう決めて来たはずなのに
会ってしまえば愛しくて
決意はゆらゆら揺れています
取り戻したい
叶うことなら昔のように
俺だけのアイツにしておきたい
けれどそれをするのは間違ってる
だって伊野尾は俺じゃなく
あの男を選んだのだから…
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うべちゃん - 初めましてこんにちは！ お話が面白くて、純情な可愛いいのちゃんに悶えながらも癒されています｡笑 更新が待ち遠しく､ワクワクしながら待っています。(*´ `*) (2019年11月14日 5時) (
レス) id: e9c81599ff (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 薮くんの親心に自分を重ね涙涙…。のはずが、いのちゃんの天然発言にえー！！でした笑 (2019年11月3日 16時) (レス) id: ec2812ad48 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - わぁ元気になられたんですね！よかったです（＾∇＾）やぶぅさん帝王ぷっりいいですね。うふふそれにしてもいのちゃん姫本当無垢で天然で可愛い！皆んな大好きなんて言われたらもうメロメロですよね。 (2019年11月3日 16時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)昨日運動会終えて一気に体調崩してストレス溜まっていましたが、らなさんのお話し読んで楽しめました(^^)いつもありがとうございますm(_ _)mまたお話し楽しみに待っています！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - Nayuさん» 高木くんの活躍、少なめですみません…でもけっこうイイとこで動いてますよね、宰相補佐。今後も頑張って欲しいです。お熱はすっかり下がりまして元気です。お星さまはお一人さま一回ですが、お気持ち嬉しい！第７章公開の暁にはまた押してくださいね。 (2019年11月3日 11時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時：2019年10月18日 20時
