１９７ 蓄積された葛藤 ページ13
『私はやっぱり、皆とは違うんです。サッカーも出来ない、学校にも通ったことない……明日生きているかだって分からない。』
悲痛そうに眉を顰める皆、私は少し喋りすぎてしまったなと内心後悔する。
……こんな話、聞いたって辛いだけだ。迷惑なことに違いはない。
そう頭では理解しているはずなのに、一度吐き出してしまった心の叫びは、そう簡単に止めることは出来なかった。
『でも、しょうがないんです。私は病気だから。色んなことを、生きることも諦めないといけない……お父さんにも、見捨てられてしまったから』
ここまで口にしてから、しまった、お父さんのことはさすがに話しすぎた……と、私は我に返る。
けれど私が言葉を止めるそれより前に、聞き馴染みのある声が、ミーティングルームに響いた。
「っ、A、それは、」
『悠馬……？』
私の目線の先には、必死な形相で、私を見つめる悠馬。
どうして、今、悠馬が？
もしかして、何かを知っている？
そんな疑問が溢れてきて思わず私が口を噤めば、悠馬は意を決したように口を開いた。
「A、君のお父さんは……」
……ああ、いやだ。
胸を埋め尽くしていくのは、そんな直情的な思い。
今からどんな事実が語られようと、悠馬が言うことに間違いはないと思ってしまう自分がいる。
"完璧"な彼は、私のことでさえ、私自身が知らないところまで知ってしまっているのだろうか。
ピンク君＿
かつて私が一番の親友だと自負していた彼は、もうここにはいない。
ついてしまった圧倒的な差は、私の心をかき乱す。
……ピンク君。なんで、私をおいていってしまうの？
『っ、やめて！』
聞きたくない！
止められない心が先行して、考えるよりも先に出てしまった言葉。
「！」
悠馬は一度驚いたように目を見開く。
そして少しの沈黙の後、再び私の名前を呼んだ。
「A、」
『やめて、悠馬。あなただってもう私とは違う……』
＿少しずつ蓄積されていた、やるせない気持ち。
悠馬が活躍するたびに、心の奥底でまるで裏切られたように感じていた。
……勝手に、悠馬は私と同じだと思っていたのだ。
ばかみたい、悠馬はこんなにも輝いているのに。
『私、ずっと悠馬に助けてもらえて、嬉しかったし、凄いなっていつも思ってた。でも、でも、同じくらい……苦しかった』
「！」
ついに出てしまった、言葉。
悠馬の酷く傷ついた表情を見て、私も涙が溢れそうになった。
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花鈴萌(プロフ) - ayadesuさん» 長い間応援していただきありがとうございます！同い年なんですねめちゃくちゃ嬉しいです……！同世代でイナイレ好きな子が少ないので……これからも頑張りますね！ (3月16日 0時) (
レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
ayadesu - この小説ができた頃から応援してます！！私も作者さんと同い年なので勝手に親近感を感じながらも、こんな上手にお話が作れるなんてすごい！と思いながら読んでいます。これからも頑張ってください！ (3月11日 21時) (レス) @page9 id: 108ac644bd (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - ありすさん» 長い間応援して頂いてありがとうございます！大好きといっていただけて本当にありがたいです。これからも頑張っていきますので、完結までよろしくお願い致します！ (3月2日 11時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - いつのまにかめっちゃ進んでてびっくりしてます！！このお話ほんとに大好きなので続きが楽しみです！作者さんのペースで頑張ってください！ (2月27日 14時) (レス) @page3 id: d48b66107c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花鈴萌 | 作成日時：2024年2月18日 0時
